民法改正のアンテナ(弁済)

民法改正

2020年4月1日から実施されることになった改正民法。
勉強しなきゃと思っても、その多さに戸惑っているあなたに向けて、「キーワード」だけを並べていきます。
このキーワードがあなたの「アンテナ(Antenna)」となり、改正情報の受信感度が高まるといいなと思います。
お気軽にさらっとお目通しください(^^)

第2回は【弁済】です。

〔第三者弁済〕
Antenna1
現行法:「利害関係」を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済できない。
改正法:「正当な利益」を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済できない。
ただし「債務者の意思に反することを債権者が知らなかったとき」は、弁済できる。
→「正当な利益」という用語・概念で統一されました。

Antenna2
New:「正当な利益」を有しない第三者は、「債権者の意思に反して」弁済できない。(=債権者は弁済受領を拒める)
ただし、その第三者が「債務者の委託を受けて」弁済することを債権者が知っていたときは、弁済できる。
→「正当な利益」がここでもでてきます。

〔弁済諸規定〕
Antenna3
New:預貯金の口座への払込みによる弁済は、「その払込みに係る金額の払戻しを請求する権利を取得した時」に、弁済の効力を生じる。
→「取得した時」がいつなのかについては、まだ議論があります。

Antenna4
現行法:「債権の準占有者」
改正法:「受領権者以外の者」であって「取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者」
→外観法理という概念であることを明確にしました。

Antenna5
現行法:「受取証書の持参人」
改正法:削除
→これだけ別に設ける必要がなくなりました。

〔代物弁済〕
Antenna6
現行法:「…に代えて他の給付をしたときは」(要物契約的)
改正法:「…に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合」で、「その弁済者が当該他の給付をしたときは」(諾成契約+現実給付)
→合意と給付とに分けて規定されました。

〔特定物の引渡〕
Antenna7
現行法:「特定物」は、引渡しをすべき時の現状で引き渡す。
改正法:「特定物」で「契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らしてその引渡しをすべき時の品質を定めることができないとき」は、引渡しをすべき時の現状で引き渡す。
→よりかみくだいた表現が加わりました。

〔受取証書〕
Antenna7
現行法:「弁済をした者」は、受取証書の交付を請求できる。
改正法:「弁済をする者は、弁済と引き換えに」受取証書の交付を請求できる。
→同時履行であることが明記されました。

〔弁済充当〕
Antenna8
改正法:
①「弁済の充当の順序に関する合意」があるときは、その順序に従う。
②数個の債務を負担する場合、弁済者は、充当すべき債務を指定できる。
③指定のない場合は、法定充当。
→いろんな条文が整理整頓されました。

〔弁済による代位〕
Antenna9
現行法:弁済をした者は「債権者の承諾を得て、債権者に代位することができる」
改正法:弁済をした者は、「債権者に代位する」
→債権者の承諾が不要になりました。

Antenna10
改正法:
・第三取得者からの、担保目的物の譲受人も第三取得者とみなす。
・物上保証人からの、担保目的物の譲受人も物上保証人とみなす。
→解釈に争いがなくなりました。

Antenna11
New:一部弁済による代位の場合でも、「債権者は、単独で」その権利を行使できる。
→判例が明文化されました。

〔担保保存義務〕
Antenna12
New:債権者の担保保存義務の規定は、債権者が担保を喪失・減少させたことについて「取引上の社会通念に照らして合理的な理由がある」ときは、適用しない。
→判断基準が明文化されました。

詳しく知りたい方は→「弁護士が弁護士のために説く債権法改正」(共著)

弁護士 波戸岡光太
その思い、前に進める法律家。
東京都港区赤坂3-9-18赤坂見附KITAYAMAビル3階
TEL 03-5570-5671 FAX 03-5570-5674