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「問題が起きてから相談」では手遅れになる理由-中小企業に必要な“予防法務”と顧問弁護士
経営者とお話ししていると、よく耳にするのが「トラブルが起きたら弁護士に相談すればいい」という言葉です。確かに弁護士は紛争解決の専門家ですが、問題が発生してからでは遅すぎることが少なくありません。
特に中小企業の場合、ひとつのトラブルが経営全体に与えるインパクトは非常に大きく、取り返しがつかない事態に発展することもあります。だからこそ、「転ばぬ先の杖」としての顧問弁護士が必要なのです。
紛争解決のコストは想像以上に重い
裁判になれば、弁護士費用・損害賠償金・時間的コスト――すべてが経営の重荷になります。たとえ勝訴しても失った信頼や取引先との関係は戻らないことも多いのです。
これに対し、事前に顧問弁護士へ相談していれば、数万円の助言で防げるトラブルも少なくありません。
予防と事後対応のコスト差は圧倒的であり、これは中小企業にとって死活問題ともいえるでしょう。
ケーススタディ:契約不適合をめぐるトラブル
ある製造業の企業は、取引先からの要望に応じて急ぎの納品をしました。契約書は細部まで確認せず、「いつもの相手だから大丈夫だろう」と思って進めてしまったのです。
ところが納品後、「仕様と違う」とクレームが入り、多額の損害賠償を請求されました。契約書には不利な条項が残されており、裁判では不利な立場に立たされる結果となりました。
もし契約締結の段階で顧問弁護士に確認していれば、条項を修正し、トラブルを回避できていたはずです。「後から相談」ではなく「前もって相談」していれば、大きな損失は防げたのです。
コーチング的視点:経営者の「思い込み」を外す
経営者が問題発生後に慌てて弁護士を探す背景には、「自分の会社は大丈夫」「今までも問題なかったから」という思い込みがあります。
ここにコーチングの視点を加えると有効です。私は経営者にこんな問いを投げかけます。
- 「もし今、想定外のトラブルが起きたら、会社の体力でどこまで耐えられますか?」
- 「今のうちに備えておくとしたら、最も優先すべきリスクは何でしょうか?」
こうした問いは、経営者の認識を揺さぶり、事前に動く重要性を実感していただくきっかけになります。
顧問弁護士がもたらす“先手の安心”
1.トラブルの芽を早期に摘める
小さな違和感の段階で相談できるから、火種が広がる前に消せる。
2.経営判断のスピードを落とさない
「法的に問題ないか」を確認しながらも、迅速に意思決定できる。
3.社員や取引先の信頼を守れる
「この会社は備えている」という印象が、信頼につながる。
まとめ
顧問弁護士は「問題が起きてから頼む存在」ではありません。特に中小企業にとっては、事後対応では遅すぎることもあるのです。
- ➤紛争解決のコストは予防の数十倍にのぼる
- ➤思い込みを外し、リスクを事前に把握することが重要
- ➤顧問弁護士は“先手を打つための仕組み”であり、経営者の安心を支える存在
「転ばぬ先の杖」を持つかどうかが、経営の継続と成長を大きく左右します。顧問弁護士を伴走者に迎えることは、未来への投資なのです。
ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。
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また、社外監査役として企業の健全な運営を支援していきたく取り組んでいます。
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波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ
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弁護士 波戸岡光太
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