紹介手数料契約書のリーガルチェックポイント

中小企業や個人事業主のビジネスのひとつとして、自社の見込み客を探して紹介してくれたら、紹介手数料を支払うという契約は珍しくありません。
はじめは「紹介してくれたら5%の紹介料をお支払いします」「了解です」と、ざっくりしたかたちでスタートすることが多いです。
けれど、いざ紹介が発生して手数料を払う段になると、お互いの認識のずれが浮き彫りになり、もめてしまったり関係がぎくしゃくしてしまうことが多いのも事実です。
どんなところに認識のずれが生じやすいのか、どんなところを定めてないともめるリスクが高まるのか、それを予防するために、紹介手数料契約書のリーガルチェックポイントを以下に整理しました。

1 どのタイミングで「紹介が成立した」といえるのか

見込み客を連れてきた場合、その後は、以下の流れで進むことが多いでしょう。
1.相談や面談が行われる。
2.契約が結ばれる。
3.入金が行われる。
4.一括なら着金と同時に完済となり、分割なら最終支払時に完済となる。
5.契約が最後まで遂行される。

紹介客が無事に5まで進めばよいですが、途中の段階で終わってしまうこともあるでしょう。
ですので、これら1~5のどの段階で「紹介が成立」となり、紹介料が発生するのか、明確に契約書に盛り込んでおくようにしましょう。
紹介料を受け取る側としては、早い段階で紹介成立としたいでしょうし、紹介料を支払う側としては、遅い段階で紹介成立としたいと思うでしょう。
5のように、めでたく契約が成立し、入金が完了しても、後日契約が解除や解約になった場合に、紹介料の支払いに影響が及ぶのかも決めておく必要があるでしょう。

2 紹介手数料は「何に対するパーセンテージ」なのか

次に、紹介手数料を固定金額ではなく、パーセンテージ制にする場合は、何に対して何%なのかを明確にする必要があります。
売上代金や契約代金に対してのパーセンテージなのか、そこから一定の経費を引いた利益金額に対してのパーセンテージなのか、あるいは税込なのか税別なのかといった具合です。
口頭では、「もうけの何%にしましょう」とか「単価の何%にしますね」などとやりとりされることが多いですが、それらの算出式まではっきりさせておかないと、後にもめたり関係がぎくしゃくする原因となります。

上記の2つの柱が、紹介手数料契約書でのリーガルチェックポイントとなります。
紹介手数料契約を結ぶときは、ぜひ参考にしていただき、お互いの取り決めをクリアにしてください。
それでは次に、実際のリーガルチェック事例をご紹介します。

3 紹介手数料契約書のリーガルチェック事例を紹介します

CASE1 手数料発生のタイミングを明記

修正前:「乙の紹介顧客一人当たり5万円」
修正後:「乙が紹介し、契約締結に至った顧客一人当り5万円」

❖修正前の契約文言の問題点
「紹介」の定義がなされていないので、紹介元は“つないで面談を実施しただけでも紹介にあたる”と考えているかもしれません。それを“契約締結に至った顧客”と修正したことで、紹介の定義が明確になりました。これにより、「面談につながったのだから紹介にあたる」というような言い分を未然に防ぐことができます。
もちろん紹介の定義は契約締結である必要はなく、面談が実施できたら1件3千円というような定義だとか、成約に向けての段階ごとに手数料額を設定していくことも可能です。契約書を締結するタイミングで、お互いがどこからを「紹介」と考えているのか、擦り合せることが重要です。

CASE2 入金のタイミングを明記

修正前:「売上金額の5%を紹介手数料として支払う」
修正後:「売上金額の入金が確認された後、売上金額の5%を紹介手数料として支払う」

❖修正前の契約文言の問題点
紹介手数料を支払う時期が、売上が計上された時点で到来すると読めるので、顧客からまだ入金されていなくても、紹介手数料を持ち出しで払う必要が出てくる可能性があります。それでも構わないのでしたらよいですが、紹介顧客から支払われたお金から紹介手数料を工面しようと考えている場合は、修正後のような対応が必要です。

CASE3 紹介手数料の返金(減額)を明記
修正前:紹介手数料の返金(減額)についての記載がない
修正後:「顧客に返金を行った場合、返金額に応じた紹介手数料の減額を行う

❖修正前の契約文言の問題点
契約後、顧客から即時解約や返金を求められてしまった場合、紹介手数料を戻してほしいと伝えても、紹介手数料の発生条件は満たしているので返金を拒否される可能性もあります。そのような場合に備えて、紹介手数料の減額(返金)規定を定めておくことも選択肢の一つとして検討しておくとよいでしょう。

このように紹介手数料のトラブル回避ポイントと実際のリーガルチェック例をご紹介してきました。
後々のトラブル予防に備えるためにも、紹介手数料契約書リーガルチェックをお勧めしています。ぜひお気軽にお問い合わせいただければと思います。

◎契約書リーガルチェック費用
ほぼ手を入れなくとも問題がない場合 :1万円
一定程度の修正作業が必要となる場合 :3万円
契約書作成に匹敵する場合 :5万円

(2021.8.17更新)

 

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