クリニック経営で、問題ありのスタッフ辞めさせる?それとも続けさせる?

歯科医院や診療所などクリニックの顧問弁護士を務めているなかで、最も多いご相談のひとつが「スタッフに関する悩み」です。採用や離職のお悩みもありますが、スタッフ自身の能力やふるまいに問題を感じていて、辞めさせるべきか続けさせるべきかを悩んでいるというご相談もよくいただきます。

ケースごとに状況は様々ですが、詳しく話を聞いてみると、現状に問題は感じているものの、なんとかいい形で続けさせることができれば続けてもらいたい。でも、このままではクリニック全体への影響も考えられる……などと、思考が堂々巡りしている経営者の方も多いようです。

1 クリニック経営者はスタッフのどこに問題を感じているのか

・やる気が見られない

一番多いのは、やる気が見られないというケースです。
仕事を覚えて成長したいという様子が見られなかったり、顧客対応にも問題があったりする場合、その影響が広まりクリニック全体の雰囲気も悪くなってしまうこともあります。
この問題に頭を悩ませている経営者は多くいらっしゃいます。

・メンタル不調がみられる

休みがちになってしまったり、シフトを入れても出勤しない日があったり、やる気がない訳ではないけれど出勤中にも細かなミスが目立ったり、思い詰めたような雰囲気があったりという場合があります。
このような時は一度休ませるべきなのか、それともこのまま働いてもらうべきなのか、ご本人がどうしたいのかつかめずに悩む経営者も多いです。

・ネガティブな発言が多く見られる

他のスタッフの悪口を言ったり、患者さんの悪口を言ったり、また徒党を組んでクリニック自体のネガティブな発言をするという方もいます。クリニックをよくしていきたいと考える院長にとっては足を引っ張られる思いでしょう。
こういったスタッフに頭を悩ませているクリニックは少なくありません。

これらのケースに共通することは、働く本人の能力というよりも、働く意識やコミュニケーションの在り方に課題を感じていることです。クリニックという狭い空間の中で一人の意識に問題があると、全体に伝播しやすく、それが患者さんへの悪影響につながっていくことを懸念して、「どうするべきか」とご相談されるケースが多いです。

2 クリニック経営でスタッフに関する悩みを抱えやすい理由

・役割がバラバラでコミュニケーション不足が起こりやすい

事務、衛生士、医師など役割がバラバラの場合、一緒の空間にいたとしてもコミュニケーション不足になってしまうことは往々にしてあります。そして、院長自身も診察に集中しないといけないので、各スタッフとのコミュニケーションが不足してしまっていることがよくあります。

・クリニックの方向性を共有しづらい

クリニックで働く人は、正社員、パート、派遣など雇用形態も様々ですし、シフト制だと働く時間もバラバラです。そのため、全体で集まって話をするという時間が作りづらく、クリニックが目指すものを共有できないまま、意識の齟齬が生まれているケースがあります。

・仕事の悩みに関する相談がしづらい

コミュニケーションが不足しやすいということは、悩みの相談もしづらいということです。クリニック内では人間関係や仕事の悩みを相談できずに溜め込んでしまい、メンタル不調になってしまう方も少なくありません。

3 そのスタッフを辞めさせるか、それとも続けさせるか

院長様に話を聞いてみると、「いますぐどうにかして辞めさせたい」というご相談は実はそれほど多くありません。辞めさせるべきか、改善の余地はあるのかを悩みながらも、それを相談できる方はおらず、そのまま日々が過ぎてしまっているという院長様もいらっしゃいます。

もちろん、「トラブルなくスタッフを辞めさせる」には
1、注意・教育指導をしてきたが改善しなかったという記録をとる
2、退職勧奨
3、解雇通告
などといった一連の流れはあり、そのためのアドバイスは可能です。
(参考記事)初めての退職勧奨

けれど、「そのスタッフを自分はどうしたいと思っているのか」の答えがはっきり出ていない場合には、一度向き合って整理する時間を取ることも重要です。忙しい経営者がその時間を準備するのは難しいかもしれません。また、一人で考えこむとその答えを出すのに時間がかかってしまうこともあるでしょう。

そんな方にお勧めしたいのが、ビジネスコーチングによる対話を通じて、思考を整理し、自分の感情と向き合うための『トリガーミーティング』というサービスです。
これは毎月、弁護士としての相談領域に限らず、人の悩みをはじめとする経営について考えていることを、10分程度お話いただくものです。コーチングスキルを持つ弁護士として皆さんのお話を引き出し、必要に応じて「こういうやりかたはいかがですか?」というアドバイスをさせていただきます。

クリニックに限らず、人に関する悩みを話せる機会が足りていないという経営者の方は少なくありません。実際に、トリガーミーティングのたった10分間で、「今何をすべきか自分なりの答えが出ました」とか「漠然と不安に思っていたことが整理されました」と仰っていただけることも少なくありません。
(参考記事)「トリガーミーティング」の効果・効能

診察もご自身で行なっていらっしゃるクリニックの経営者は、経営課題について時間をとって考えたり、スタッフと向き合う時間を確保することは簡単ではないと思います。
スタッフを辞めさせるべきか悩んでいる方はぜひ波戸岡までご相談ください。
弁護士、そしてコーチとしての立場から皆さんが今抱える課題を紐解いていきます。次にとるべきアクションを一緒に探っていきましょう。

いつでも相談を受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。
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ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。

経営者は日々様々な課題に直面し、意思決定を迫られます。
そんな時、気軽に話せる相手はいらっしゃいますか。

私は法律トラブルに限らず、経営で直面するあらゆる悩みを「波戸岡さん、ちょっと聞いてよ」とご相談いただける顧問弁護士であれるよう日々精進しています。
また、社外監査役として企業の健全な運営を支援していきたく取り組んでいます。
管理職や社員向けの企業研修も数多く実施しています。

経営者に伴走し、「本音で話せる」存在でありたい。
そんな弁護士を必要と感じていらっしゃいましたら、是非一度お話ししましょう。

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波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ

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