弁護士の仕事・その4「組み立てる力」

弁護士の仕事

波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ

中小企業をもりたてるパートナーとして、企業理念や経営者の想い、事業を理解した上で法的アドバイス、対外交渉、リーガルチェックを行うことをポリシーとしております。これまでの法律相談は1000件以上。ビジネスコーチングスキルを取り入れ、顧問先企業の経営課題・悩みをヒアリングし解消するトリガーミーティングも毎月行っています。

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弁護士の仕事は依頼者のトラブルを解決することです。
「解決」というと、からまった糸、それもコリ固まった糸を「解きほぐす」イメージがあります。
たしかに、対立した利害関係、それも、契約やお金の問題から、名誉、プライド、愛憎入り混じった人間関係まで、さまざまなもつれを解きほぐすことは、トラブル解決を目指す弁護士の仕事です。

では、弁護士は、からまったものを元に戻すだけで、小説家や建築家、デザイナーの方とちがって新たなモノを生み出すことのない、クリエイティブではない仕事なのかというと、そうではありません。

依頼者の話を聴いて(聴く力)、共感して(共感する力)、必要な情報を検索したら(検索する力)、次に設定したゴールを目指して、論理を組み立てます。
この組み立てる作業が、実はとってもクリエイティブなのです!

この依頼者は救われるべきなんだ、という「情」を根底にすえたら、では、どうしてその依頼者は救われるべきなのか、「理」(論理、ロジック)を組み立てます。
それは単なるストーリーではありません。ゴールという高みに達するために、まずはがっしりした事実を土台におき、その上に、次の事実をおき、その上に、また次の事実を乗せていく、こうして積みあがった論理、それもこの事案で一つしかない論理を「訴状」という書面に乗っけます。
このとき、新たなモノが生まれた!クリエイティブじゃん!と思うのです。
それはまるで積木か、レゴか、はたまた粘土細工か。(息子がのびのび創作している姿と重なる部分があります(^^))
ひとつ残念なのは、みんなに見てもらえないこと。。。

でも、長い裁判を経て判決が下されて、その判決文の論理が私の訴状と同じ論理であったとき、自分の作ったモノが司法にも伝わったんだという大きな喜びになります。

こんなふうに、弁護士が「聴いて」「共感して」「検索」したら、その次は「組み立てる」、それはクリエイティブな作業なんですというお話でした。
つづく(^^)

(Photo by (c)Tomo.Yun,http://www.yunphoto.net)
(Photo by (c)Tomo.Yun,http://www.yunphoto.net)

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弁護士 波戸岡光太
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