Blog 最新記事
- 信念への共感が心をつかむ from『すごい傾聴』(良書から学ぶ経営のヒント)2024-11-15
- 「見て見ぬふり」はこうして起こる-コンプライアンス違反を防ぐための心理的アプローチ-2024-11-04
- コンプライアンス違反を防ぐ少数派の影響力2024-11-04
- アンコンシャス・バイアスがコンプライアンス違反を招く?-無意識の偏見と公正な職場-2024-11-04
- 「赤信号、みんなで渡れば怖くない」-コンプライアンスと集団的浅慮-2024-11-03
カテゴリ
「下町ロケット」-判決と和解-
「下町ロケット」(TBS)の人気がすごいですね。
技術者のロマン、特許の仕組み、経営者の苦しみに加え、法廷闘争まで出てきて息つく暇がありません。
第2回では、裁判で証人尋問が行われ、どんな「判決」にたどり着くのかと思いきや、あれよあれよという間に「和解」の流れになりました。
白黒決着をつける「判決」に比べると、「和解」は互いが譲り合ってあいまいに終わらせてしまうという、すっきりしないイメージがあるのではないでしょうか。
たしかに言葉自体にそのようなイメージがあることは否定しませんが、実際はその逆で、「和解」の方が、当事者はすっきり納得解決できることが多いです。
判決だと、必ず白黒がつきます。そうすると、負けた方にはほぼ間違いなく、はがゆく悔しい思いが残ります。しこりが残ります。控訴して解決が遠のく場合もあります。よく「相手をぎゃふんと言わせてやる!」というセリフを聞きますが、実際に相手が「ぎゃふん」と言うことはありません。
それに比べて和解は、当事者双方が自分の強みと弱みを分析して、自分が納得できるラインを自分で設定して、自分たちの紛争を自分たちの手で解決するプロセスをたどりますので、確実に紛争が解決します。自分で合意したのだから控訴などありません。
そもそも訴訟の目的は、相手をやっつけることではなく、紛争の解決にあります。
相手をやっつけて自分のプライドを満足させることは訴訟の目的ではありません。
紛争を解決して、昨日までそこに注いでいた時間やエネルギーを、明日からは、自分のために、社会のために費やすために訴訟はあります。
そう考えると、紛争解決の方法として、判決と和解は等しく大切な意義を持つのであって、
自分で解決できるなら和解を、第三者の手に委ねるしかないのなら判決を選択することになります。
その結果として、佃製作所はじめ多くの訴訟当事者は、初めは第三者の手に委ねるべく訴訟を起こしますが、最終段階では、自分自身の手で紛争を解決するために、和解を選択することが多くなるといえるでしょう。
というふうに、判決と和解のもつ意味と役割について書いてみました。
さて、和解を選択し、訴訟を乗り越えた佃製作所に立ちはだかる次の壁は何だ!?
ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。
経営者は日々様々な課題に直面し、意思決定を迫られます。
そんな時、気軽に話せる相手はいらっしゃいますか。
私は法律トラブルに限らず、経営で直面するあらゆる悩みを「波戸岡さん、ちょっと聞いてよ」とご相談いただける顧問弁護士であれるよう日々精進しています。
また、社外監査役として企業の健全な運営を支援していきたく取り組んでいます。
管理職や社員向けの企業研修も数多く実施しています。
経営者に伴走し、「本音で話せる」存在でありたい。
そんな弁護士を必要と感じていらっしゃいましたら、是非一度お話ししましょう。
波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ
経営者に、前に進む力を。
弁護士 波戸岡光太
東京都港区赤坂3-9-18赤坂見附KITAYAMAビル3階
TEL 03-5570-5671 FAX 03-5570-5674