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ビジネスコーチング弁護士にたどり着くまで(後編)

波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ
中小企業をもりたてるパートナーとして、企業理念や経営者の想い、事業を理解した上で法的アドバイス、対外交渉、リーガルチェックを行うことをポリシーとしております。これまでの法律相談は1000件以上。ビジネスコーチングスキルを取り入れ、顧問先企業の経営課題・悩みをヒアリングし解消するトリガーミーティングも毎月行っています。
前回の続きで、私がビジネスコーチ弁護士として経営者の方のサポートを始めた経緯をインタビュー形式でお伝えします。
ビジネスコーチング弁護士にたどり着くまで(前編)
-東京に戻ってからはどのような変化がありましたか?
弁護士としてどうあるべきかを考え始めた時期ですね。
ちょうど5年目に差し掛かった頃です。
私は、自分の人生を3年区切りで考えるようにしているのですが、最初の3年間(正確には1年間の研修後の函館での3年間)は実務経験をひたすら積む期間と位置付けていました。
そして、次の3年間は自分の軸を決める期間にしようと決めたんです。
-自分の軸を決めるとはどういうことですか?
弁護士という仕事を通じての自分の生き方を決めるという意味合いですね。
そのために、民事紛争から、企業案件、刑事事件、離婚や相続案件など、幅広くやってきたことを全て棚卸してみたんです。
-棚卸しして見えてきたものはなんでしたか?
様々な案件のどれにも共通していることは、この仕事の本質は、依頼者への貢献を通じて社会に貢献することだということです。だから自分はこの仕事に真剣に取り組んできたし、これからも取り組んでいくのだと肚が決まりました。
逆に言えば、ご依頼を頂いてもそれが社会貢献に繋がらないのであれば、断る覚悟ができたともいえます。
自分が進むべき道はこれだと見えてきた時期に、「その思い、前に進める法律家。」というキャッチコピーもできました。
-それが「その思い、前に進める法律家」なのですね。
そうです。キャッチコピーってとても大切ですよね。この言葉によって「トラブル解決だけがゴールではなく、その先の、相談してくれた方の人生の後押しをさせてほしい」ことがより明確になりました。
-この頃から経営者のサポートをメインにし始めたんですか?
それはもう少し先の話です。
東京に戻り、いろんな方と出会う機会が増えて「ご専門は?」と聞かれると、たいていは「企業もやってますし、個人の相談とかも受けてます」と答えてました。
でも徐々に経営者の知り合いが増えて、関われば関わるほどに「面白いな!」と思う気持ちが大きくなっていきました。
-経営者のどんなところに惹かれたんですか?
経営者の方は、世の為になったり人の役に立つサービスを考えて社会に送り出していますよね。その事業を始めたきっかけなどを聞くと、そこにはドラマがありますし、ワクワクします。そして、社員を抱えて守りながらも次の挑戦も続ける。その行動力や生き方に「すごい!」と純粋に感動できることが多くて。そんなリスペクトできる方々のサポートができたら、こんなにやりがいのあることはないと思い始めました。
-それが今の波戸岡さんのスタンスに繋がっていると。
そうですね。経営者の方と仕事をしていると、自分自身を高めていかないといけないという刺激をすごくもらえます。尊敬できる経営者の方は、いわば「個で戦う一流人」だと私は思うのです。
私は、自分自身を「弁護士の波戸岡」ではなくて、「波戸岡という個人」がいるだけだと思っています。だからその波戸岡は、個を磨き、弁護士という職を通じて依頼者のためにできることを考え、弁護士の可能性を広げ、弁護士の枠を超えていきたいと思っているわけです。
-そこでコーチングを学び始めたんですか。
そうです。経営者の方の本当の想いや願望、あるいは悩みを引き出せるようになりたい、そこに伴走したいと思ってビジネスコーチングを学び始めました。
そのおかげで、日ごろの打ち合わせでは、互いに何でも話せる前向きで活発なやりとりができるようになっています。
また最近、毎月10分間、ワクワクする話だけを経営者の方にしてもらう『トリガーミーティング』という試みを始めたのですが「こんな話をする機会はふだんないので新鮮です」という声をいただいており、大きな可能性を感じています。
-顧問弁護士としての在り方を追求されているんですね。
最初の3年で実務経験を積んで、次の3年で自分の在り方を見つめ直しました。
そして今は、自分が定めた在り方を磨いている最中です。
顧問弁護士として経営者の方々のためにできることはまだまだあるはずだと、私自身ワクワクしています。
「何か問題があったら言ってください」では、いつまでたっても距離感の縮まらない弁護士のままです。いわばテニスのダブルスのように、パートナーの調子をすぐ察知してカバーできるような存在でありたいと思っています。
-なるほど、これからが一層楽しみですね。ありがとうございました。
最後に
インタビューという形で話を引き出してもらって、改めて自分がこういうふうに依頼者と関わりたいという想いを再確認できました。
経営者の方々の熱量に負けないよう、顧問弁護士としての在り方を突きつめ、可能性を広げていきたいと思います。
経営者に、前に進む力を。
弁護士 波戸岡光太
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TEL 03-5570-5671 FAX 03-5570-5674