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経営に役立つヒント集(24.4)
経営者の方に向けたお役立ちメッセージとして、X(twitter)に投稿した内容を、テーマごとにまとめましたので、ご紹介します。(24年4月分)
交渉
➤「論破」して得るものはないというのが私の考えです。
相手は感服するどころか屈辱を感じ、今後の関係を回避したり、復讐するであろうことがほとんどでしょう。ちなみに、人がほんとに「ぎゃふん」と言った場面に、私はまだ出会ったことがありません。
➤エトス(信頼)、ロゴス(論理)、パトス(情熱)の3つがそろうとき、人は真に納得し、説得させることができるとアリストテレスは説きました。
た。どんなにオンラインが発達しても、「温度」だけは伝えることができません。
なので、交渉の場を設定する際、パトスが必要なときは、ぜひリアルで行うべきと考えます。
➤「裁判って、こんなに時間かかるんですか」
両者が同じ方向を向いている商取引であれば、スピード感をもってことは進みますが、
互いに違う方向を向く裁判になると、早く進めるモチベーションを双方が持つとは限らず、スピード感が失われがちです。
やむないとはいえ、遅すぎるとなれば、裁判制度自体に人が期待しなくなるリスクもあります。
弁護士の在り方
➤弁護士は依頼者のトラブル解決を任務とし、からまった糸を「解きほぐす」イメージがあります。
でもそれだけでなく、依頼者の話を聴いて(聴く力)、共感して(共感する力)、必要な情報を検索して(検索する力)、論理を組み立てる(組み立てる力)といった総合力をフル稼働させています。
➤弁護士は「六法全書全部覚えてるんでしょ」言われることがありますが、そんなことありません。大事なのは、依頼者の話を聞いて共感したときに「あの法律が使える!」と依頼者の思いを実現できる法律や知識を見つけ出すことです。そういう意味では弁護士に大切なのは「検索力」かなと思ったりします。
➤弁護士は法律のプロだから、法律のアドバイスを的確に行うのは当然です。
その次に「ではどうするか」という、依頼者の選択、判断、次への一歩は誰が決めるか。これは依頼者が決めます。そうだけど、一人では不安です。そのときに、依頼者すら気づいていない豊かな可能性、きっとこの人は秘めた力を持っている、自分の力で確かな道を歩めると、弁護士が信じ、引き出し、勇気づけ、伴走する。それでこそ真の「寄り添う」弁護士だと思うのです。
➤どんな相談でも、必ず共感できる部分があります。自然に共感できる場合はそのままに、意識する必要がある場合は共感力のアクセルを踏みます。もっとも、頭まで熱くなると判断を誤るので同調はしません。ハートで共感し、クールな頭で行動します。それが自分の原動力になって、法律や理屈を総動員させゴールへの道筋を導きます。
➤知ってるか知らないかを基準とすると、知らないことが恥ずかしくなり、決断と行動が遅れます。
それよりも、学んでいるか学んでいないかを基準にしてどんどん学んでいく方が、決断と行動が速くなります。私は弁護士として依頼者から現場や業界のことを学び、迅速的確な法的サポートに取り組みます!
➤ご相談者は「自分や自社の悩み」を解決するために来ます。単に法律を教わるためではありません。だとすれば、弁護士の仕事は「聴く」ことから始まります。現場で何があったのか、どこが悩みどころなのかを「教えてもらう」ことから始まります。それができて初めて、本当の法的サポートが可能になります。
コミュニケーション・コーチング
➤経営者の方とのビジネスコーチングでは、次回までの行動を決めてセッションを終えます。「がんばろうと思います」といった抽象的な言葉だと行動につながらないので避けます。「勉強します」とか「部下の意見を尊重してみます」とかも実は抽象的。「◎の講座を申し込みます」とか「「なるほど」と言ってみます」など目に見える行動を決めてセッションを終えると効果的です。
➤『「まず聴く」ことが信頼関係を築く第一歩』
1st:あの人は私の話を聞いてくれる〔承認欲求を満たす〕
2nd:あの人は私のことを分かってくれる〔よき理解者になる〕
3rd:そんなあの人の話をぜひ聞きたい〔信頼感が築かれる〕
1と2のステップをしっかり踏んで3に至りたいです。
➤「◎を解決したいです」と「コト」を提示するクライアントに対し、
「◎を解決しましょう」と「コト」に向き合うのが弁護士で、
「◎を課題と感じているクライアントさんを支援しましょう」と「ヒト」に向き合うのがコーチ。
この2つが掛け合わさったらすごくパワフルになる可能性を感じて、日々取り組んでいます。
➤「コト」の解決をする弁護士がコーチングスキルを身につけることで、「ヒト」の支援ができるようになることを、多くの依頼者の方との対話を経て実感しています。このようなコーチングスキルが多くの専門家の中に普及していけばいいなと思っています。
契約書
➤『契約書のひな形は使うべき?避けるべき?』
結論からいうと、案件ごとにさほど変わらない部分については、ひな形を参考にすることは構いませんし、むしろ漏れを防ぐことができ、時間の節約にもなります。
その一方で、案件ごとに個性がある部分には、工夫や配慮が必要です。現場にどうフィットさせればよいのか、丁寧にカスタマイズすることが必要です。そしてその作業に注力するためにも、ひな形は積極的に利用してよいと考えます。
➤M&Aで株式譲渡を行う際、契約の話が進むにつれて「このまま株式譲渡を進めて大丈夫だろうか」と不安を感じてご相談をいただくことがあります。
それらは全て株式譲渡契約を締結する前に解決しておくべきです。こればかりは、放っておいたところで「時間が解決する」わけではないからです。
➤契約書チェックでは、文言の工夫だけでなく、『どのような言い方や順序で先方に修正を持ちかけるか』の検討も大切です。
先方の反応を伺い、了解を取ってから修正を持ち掛けた方がよいケースもあれば、端的に修正文言をなげて要望を伝えることもあります。
交渉はコミュニケーションです。
➤居抜き物件を選ぶ際に大切なことは主に4つです。
①オーナーのスタンスを見定める
②前入居者の退去理由をできる限り情報収集する
③急いで飛びつかない
④入居時の現場写真を撮影し保存する
この4つをきちんと実施していれば、居抜き物件におけるトラブルはかなり減らせます。
➤会社がマンション等を借り上げて、従業員に社宅として利用させる際の『社宅使用契約書』のリーガルチェックポイントは主に3つです。
①従業員の負担額を低めにする:福利厚生の実態を持たせて、借地借家法の適用がないようにしたいです。
②使用規則を定める:利用者の範囲の制限、生活音の配慮、ゴミだしルールなど、住民としてのマナーは大切です。
③退去時のルールを定める:原状回復義務の範囲や退去時期の設定、万一連絡がとれなくなったりした場合の対処が必要です。
➤継続的に取引が行われる場合の『売買基本契約書』のリーガルチェックポイントは、主に5つです。
1 個別契約が成立するタイミングを定める
2 納品後の検査(検収)期限を定める
3 後日不具合が判明した場合の対処を定める
4 所有権と危険負担の移転時期を定める
5 クレーム処理について定める
➤『マッチングサイトの利用規約』 マッチングサイトの運営者は、トラブル発生を回避できる安全性の高い利用規約を作成することが必要です。もちろん自社を守る必要はありますが、かといって単に自社に都合のよい利用規約を作るだけでは「無責任な運営会社」という悪評が立ってしまい、結果としてユーザーから信用されなくなる可能性があるので要注意です。
➤システム開発にまつわるトラブルでは、クライアントの望むレベルに達していないという理由で代金支払いを拒絶されるケースが多いのが特徴です。また、ローンチ後も多少のバグを修正する作業が行われるのは珍しくないため、完成引渡の境界線を定めることが難しいのも特徴の一つであり、それに備えた対策をしておきたいです。
➤『副業を認める際の社員との契約書』 社員に副業を認める際、労働時間が本業と通算されたり秘密漏洩対策が必要になるので、トラブルを防ぐ契約書作りが必要です。その時の主なポイント3つです。
①所定労働時間を明確にする
②副業先との雇用形態、就労先を明確にする
③副業における禁止事項を明確にする
➤テナント賃貸借契約で起きがちな4大トラブル
①水道、ガス、電気など設備に関するトラブル
②雨漏りなど建物にまつわるトラブル
③退去時の原状回復をどこまでするのかのトラブル
④保証金や敷金の償却についてのトラブル
これらは賃貸借契約書の見落としや、認識のずれが原因で、テナント側が思わぬ負担を強いられることがあるので、契約書は必ず読み込んでおきたいです。
ハラスメント
➤「たるんだ部下は厳しく指導した方がいい」「自分だって怒られながら育ってきた」など、かつての自分の経験が基準となって当然のように振る舞う言動が、パワハラにつながっていきます。
こういった「アンコンシャス・バイアス」は、日々の言動を裏側から支え、しかも無意識であるがゆえに、本人が気づくのは容易ではなく、パワハラ問題の解決を難しくしています。
ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。
経営者は日々様々な課題に直面し、意思決定を迫られます。
そんな時、気軽に話せる相手はいらっしゃいますか。
私は法律トラブルに限らず、経営で直面するあらゆる悩みを「波戸岡さん、ちょっと聞いてよ」とご相談いただける顧問弁護士であれるよう日々精進しています。
また、社外監査役として企業の健全な運営を支援していきたく取り組んでいます。
管理職や社員向けの企業研修も数多く実施しています。
経営者に伴走し、「本音で話せる」存在でありたい。
そんな弁護士を必要と感じていらっしゃいましたら、是非一度お話ししましょう。
波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ
経営者に、前に進む力を。
弁護士 波戸岡光太
東京都港区赤坂3-9-18赤坂見附KITAYAMAビル3階
TEL 03-5570-5671 FAX 03-5570-5674