経営に役立つヒント集(24.6)

経営者の方に向けたお役立ちメッセージとして、X(twitter)に投稿した内容を、テーマごとにまとめましたので、ご紹介します。(24年6月分)

契約書

➤契約書に盛り込むサービス内容や支払条件が複雑になりそうなときは、がんばって「…場合は、〜ものとする」などとやってるとかえって混乱するので、「別紙記載のとおり」として、そちらに見やすく一覧表示にするのが、互いに誤解もなく、おすすめです。

➤オンラインで契約書リーガルチェックのミーティングをするときは、画面共有した状態で契約書案に文言修正をかけていくので、まさにリアルタイムで条文が仕上がっていくプロセスを共有できて楽しいです。

➤契約書締結に向けてのやりとりで、自社に有利に進めることは大事ですが、これをやりすぎると、取引始まる前に相互不信になりかねません。
適度な緊張感を持ちつつ、ウィン・ウィンを目指したいです。

労務

➤常時10人以上の労働者を使用しない場合、就業規則を作成する「義務」はありません。
けれど、就業規則がないと困ることとして、
・懲戒処分ができない
・休職制度ができない などがあげられます。
なので、単に人数だけでなく、組織体制の観点から、就業規則の作成を検討したいですね。

➤〔パワハラ問題のなやみどころ
①グレーゾーンはたしかに存在する
→ コミュニケーションの質を高めよう。
②指導のつもりがパワハラになっている
→ 立ち止まり、振り返る時間をもとう。
③コトの問題のはずが、ヒトの問題になっていく
→ 「コト」の解決に一緒に取り組もう。

➤退職勧奨では、許されるレベルと許されないレベルの分岐点を押さえておきたいです。
1.何度もしつこく退職を迫る
2.人格や能力を攻撃してしまう
3.圧迫感を与えてしまう
4.長時間にわたり面談してしまう

交渉

➤交渉では、今何が起きているのか、相手が何を感じているのかを感じ取る「敏感力」が必要な一方、少々のことでは動じないことを感じさせる「鈍感力」も必要です。といっても、ほんとに鈍感になるわけじゃなく。

➤正しく論理立てたからといって、相手を説得できるわけではない。論理と感情と信頼と、それらがどう作用しあうのか。人間の不思議さを感じつつ、日々交渉に臨んでいます。

➤交渉に臨むときは、①理論武装(理論構成)に加えて、②ここは譲れないという「腹決め」(覚悟)が必要です。

➤交渉では、「相手にうん(Yes)と”言わせよう”」と思ってもうまくいきません。
それより、「相手がうんと”言いたくなる”にはどうすればいいか」を考える方が、合意に近づきやすいです。
だれだって、”言わせられ”たくないですものね。

➤交渉の場では、「こういう戦略で臨むぞ」と決めていく場合と、
どうなろうとなんとかなる」と腹決めしていく場合とがあるなと感じています。
どちらもわくわくする。

弁護士の在り方

ふだん扱うことの少ない法律分野をあえて学ぶ時間を作ることで、視野が広がるし、思わぬところで役に立ったりします。
計画的偶発性理論はここでも役立ちます。

➤ハラスメントやコンプライアンスなどの研修講師をするときは、リアル会場では後方席の人に、オンラインでは画面の向こうに、自分の熱量が届くように伝えています。
そのせいか、終わった時に感じる「出し切った感」は、1時間のときも3時間の時も変わらないです。

➤メールなどの文字情報だけでは、現場の雰囲気や人々の温度感が削ぎ落とされてしまいます。なので、その状態で法律のアドバイスをしても、現場にはフィットしないことが多いです。
現場の温度感を弁護士も一緒に感じることが大切です。

➤依頼者と一緒に理不尽さに腹を立てることもあります。
でも、感情は腹に込め、頭はクールに

➤どのような人物なのかを見抜くのって、本当に難しくて、
一人一人違うのはもちろん、
同じ人であっても、場面ごとに違う表情や人格を見せたりします。
どんなに交渉経験を重ねても、難しくもあり、醍醐味でもあり。
そもそも「見抜く」という前提が間違いですね。

➤弁護士は代弁者として依頼者の思いを伝えますが、
感情的な言葉は極力使わないです。
あくまで事実を述べ、証拠を提出することに徹します。
証拠が事実を支え、事実が人の心を動かすことを目指します。
それがきっとプロフェッショナルの仕事なのだと思ってます。

➤弁護士は依頼者のために奮闘しますが、「三方よし」になっているかの視点を失ってはいけないです。

心理学

➤「返金には一切応じられません」という契約条項があると、返金要請の件数が増えてしまい、
「いつでも返金に応じます」という契約条項があると、返金要請の件数が減ったりします。
人は選択肢を奪われることに抵抗感を覚える「心理的リアクタンス」があるからです。法律学と心理学は両方知っておきたいですね。·

交渉では、心理学の知見がすごく役立ちます。
・「やめてください」ではなく、「それは仕方ないですね」
・人は〝ぎゃふん〟とは言わない
・立場より利害(メリット)
・自分の魅力は相手との関係できまる

コーチング

コーチングは未来を描く
カウンセリングは過去に触れる
人は過去・現在・未来を生きるから、どれも大事。
この数か月、キャリコン講座を受講していての気づきです。

ご本人はどうなりたいのか、いちばん大切にしていることは何か、そういうことを「コーチング」の中でしっかり引き出したうえで、ソリューションとしての「法律」を使う。そんな組み合わせはきっとパワフルだと思って取り組んでいます。

➤コミュニケーションの基本。
・体ごと相手に向ける。
・椅子にはまっすぐ座るか、やや前傾になって聴く。
・スマホはカバンにしまうか、裏向きに伏せる。
・相手の話を最後まで聴く。
ほんのちょっとしたことなのだけれど、相手に与える影響は全然違ってきます。

そのほか

➤相手に対する感情の強弱は、相手との距離感にも影響されます。(嫌な相手なら離れればよい、というのは一つの解決法)
でも近隣問題やマンション住民間のトラブルは、物理的な距離を動かせないので、感情に亀裂が入ると、法律的には解決できても人間関係の修復は容易ではない難しさがあります。

➤「虎に翼」は、役者の方々が素晴らしいのはもちろん、
ストーリーも、当時の社会事情を踏まえつつ、現代社会へのメッセージをしっかり発信していて響きます。
弁護士として、法律の限界と法律による創造と、学びが多いです。

➤『弁護士の顧問料っていくら位が妥当?』
顧問料は高いか安いかというより、自社にとって妥当と感じるかどうかが大事です。
そのためには「自社の課題やリスクとして感じていることが、顧問弁護士によって解消されるのかどうか」と照らし合わせて考えることが重要です。

➤経営学は、経済学・社会学・心理学のエッセンスを応用する分野と言われています。
学べば学ぶほど、視座が高くなり、視野が広くなります!

ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。

経営者は日々様々な課題に直面し、意思決定を迫られます。
そんな時、気軽に話せる相手はいらっしゃいますか。

私は法律トラブルに限らず、経営で直面するあらゆる悩みを「波戸岡さん、ちょっと聞いてよ」とご相談いただける顧問弁護士であれるよう日々精進しています。

経営者に伴走し、「本音で話せる」存在でありたい。
そんな弁護士を必要と感じていらっしゃいましたら、是非一度お話ししましょう。

ご相談中の様子

波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ

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弁護士 波戸岡光太
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