経営に役立つヒント集(24.7)

経営者の方に向けたお役立ちメッセージとして、X(twitter)に投稿した内容を、テーマごとにまとめましたので、ご紹介します。(24年7月分)

契約書

➤契約書リーガルチェックでは、
「法的な面で有利不利はどうか」という観点だけでなく、
実際の交渉や協議の内容が正しく盛り込まれているか」という観点も大事です。

➤契約書は、イチから作らなくても、
よくできた書式を大いに参考にして頂いて大丈夫。そこからどう「カスタマイズ」するかがポイントです。
「…ものとする」とか「甲」「乙」といった契約書独特のワードに惑わされないように。

➤契約書リーガルチェックでは、
「″ここが気になるんだけど″チェック依頼」と、
「″ひと通り見て大丈夫だと思うんだけど念のため″チェック依頼」があったりします。
どちらも大事です。どうぞ遠慮なさらず!

➤サブリース契約にも借地借家法が適用されるのは判例で結論が出ているところです。
それをタテにいつまでも物件にしがみつきオーナーから利益を得ようとするサブリース業者もあれば、
オーナーのために良心的な事業を続けるサブリース業者もあります。
見極めは難しいけれど、何とか見極めたいところです。

ハラスメント、コンプライアンス

➤パワハラになるかどうかの「〇×テスト」をやってもあまり意味はなくて、それよりも「判断基準」を持つことが大事です。
①その行為の目的は組織のためか?②その指導方法は第三者が見ても適正なものか?
そういう基準を自分の中で持つと、メタ認知ができて、自己成長にもつながります。

➤コンプライアンス研修では、
「悪いことをしちゃいけない」を繰り返すより、
「これくらいならいいかな」とか「おかしいって言える雰囲気じゃなかった」と感じてしまう《心や脳の仕組み》を学ぶ方が、面白いし役立つと思ってます。

心理学

➤法的トラブルと”怒りの感情”は切っても切り離せません。
でも、「相手を許せない!」って気持ちと、「私は今そういう感情を抱いているな」と認識するのとはちょっと違います。
メタ認知をして自分の感情を客観的に見つめることは、精神衛生上望ましいし、何より判断を誤りません。

怒りは二次感情。怒りの下には心配や不安、恐怖、落胆といった一次感情が隠れています。
なので、共感すべきは「怒っているのですね」という二次感情の方ではなく、
「心配でしたよね」「不安でしたよね」の一次感情の方。

➤自分を意識するのには2つのパターンがあるとのこと。
1.「やべー、失敗したらどうしよう」という客体的自覚
⇒勝手に沸き起こるネガティブな自覚が多いので、そのパターン対処をスキル化しよう。
2.「今、ここを感じよう」という主体的自覚
⇒マインドフルネスなど、ポジティブな感情が沸き起こる状況を作るとよい。·

交渉

➤頭に汗をかくほど考えまくり、みんなで知恵を出しきって、交渉に向けての打ち合わせするとき、
リアルでやると、いいアイデアが生まれたりします。お互いの熱量を感じあえるよさがあるからかな。もちろんオンラインでも変わらぬ情熱でやってます!

弁護士の在り方

➤「まさに今必要となる知識を文献から見つけ出す力」と、
「いつか必要になるかもしれない知識のために文献を頭から読み込んでいく力」と、それぞれ必要です。

➤法律的にはOKでも、ビジネスマナー上どうなんだろうという場面は時々あります。
そこを「あとはご自身でお考えください」と伝えるか、「一緒に考えましょう」と伝えるか。
私は一緒に考えたい

➤法律の専門家でなくても、直観的におかしいと思ったときは、大抵が正解だったりします。
病気の専門家でなくても、「この悪寒はマズイ気がする」という感覚が合っているように。
なので、クライアントの方には、アドバイスだけでなく「ちゃんと正しく進める力をお持ちですから!」という勇気づけを(おこがましくも)しています。

➤自分の専門分野以外の分野については、
その分野の専門家の方と会話ができるぐらいのレベルには達したいと思い、経営学、心理学、建築、鑑定、歴史などなど、幅広く学んで自分の引き出しを広げるようにしています。
学ぶことは純粋に楽しいですし、会話の幅も広がり、なお楽しいです。

➤弁護士が代理人として依頼者の前に立つ場合もあれば、
弁護士はアドバイザーに徹して、依頼者の斜め後ろにいる場合もあります。
依頼者にとって、どの立ち位置にいるのがよいか、そこから一緒にベストのサポートを考えます。

➤クライアントの前では、法律専門用語をできるだけ使わず、かみ砕いて言い換えるようにしています。
これは、自分にとっても、わかったつもりにならないようにする、いい訓練になります。

➤ご紹介頂いたときに、「お仕事になるか分かりませんが…。」と仰って頂くことがありますが、そんなことよりも、私を思い当たってくださったことが、何より嬉しいのです

コーチング、コミュニケーション

➤A:筋を通すために、トラブルもいとわないか。
B:トラブルを避けるために、筋を通すことは脇に置くか。
そのときに一番実現したいことは何かを明確化することで、AかBかが導かれてきますし、それはどちらも正解だと思います。

➤法律や契約はロジカルな世界ではありつつも、信頼関係や腹落ち感は欠かせません。
そういう感触を自分なりに確かめるためにも、打ち合わせのために、暑い中オフィスまで来てくださる方もいらして、心から感謝です。·

➤あの人は自分の話を最後まで聞いてくれる
⇨そんなあの人は自分のことを分かってくれる
⇨そんなあの人がしてくれるアドバイスは役に立つ。
この3ステップをしっかり踏まずに(=相手の話を聞かずに)アドバイスをし始めちゃうと、うまくいかないものです。

いろいろ

➤弁護士はじめ士業同士の勉強会を長らく続けています。互いに学びあう場ですので、「先生」ではなく「さん」づけにしています。本来なら普通なことのはずなのに、先輩を「さん」づけするのにちょっと勇気がいるのが不思議。

➤「この時間だけは心も身体もオフラインにして起案に集中する」って決めて書面を書き始める。
書き終わったとき、水面に浮かび上がってきたような爽快感がある。

➤当たり前の正義を実現するために、想像以上の労力を要することは多いです。
正義は「当然に」勝つわけではないのが、現実の社会ですね。

➤どんなに対立してきた当事者同士であっても、裁判所で和解が成立すると、「ありがとうございました」と自然に頭を下げることが起きます。
もちろんカタチだけかもしれないけれど、区切りとしてのカタチは、それはそれで大切な意味があると思います。

➤何かを始めるときの熱量は高くて当たり前。
それを続けるための熱量を維持できるか、その時こそ本気度が問われます。
…なんて熱いことを言っていますが、〔実務に役立つ法律書を読む会〕が何年も続いているのは、そんな仲間がいてくれるおかげです。

➤生成AIのすごさは、すこしの情報を与えるだけで、多くのデータベースをもとに生成してくれること。
一方、裁判では、いまあるたくさんの手元情報(しかも紙)の中から、エッセンスを抽出したり見落としがちな視点を見出す力が問われます。
なので、今は別物ではあるのですが、うまく機能しあえたら面白いだろうなと思ってます。

ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。

経営者は日々様々な課題に直面し、意思決定を迫られます。
そんな時、気軽に話せる相手はいらっしゃいますか。

私は法律トラブルに限らず、経営で直面するあらゆる悩みを「波戸岡さん、ちょっと聞いてよ」とご相談いただける顧問弁護士であれるよう日々精進しています。

経営者に伴走し、「本音で話せる」存在でありたい。
そんな弁護士を必要と感じていらっしゃいましたら、是非一度お話ししましょう。

ご相談中の様子

波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ

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弁護士 波戸岡光太
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