経営に役立つヒント集(24.8)

経営者の方に向けたお役立ちメッセージとして、X(twitter)に投稿した内容を、テーマごとにまとめましたので、ご紹介します。(24年8月分)

契約書

➤契約書には、互いの約束事を明確に盛り込むようにしますが、それだけでは「相手はひそかに契約を破っていないだろうか」という新たな不安が生じたりします。
なので、そもそも契約を破りづらい環境や関係性を作っていくことも、同時に必要です。(経済学では「暗黙的契約」というそうです)

➤相手にから提示された契約書の文言を修正する場合、
「どう修正するか」も大事ですが、
「どうやって修正の意図を伝えるか」も大事です。
伝え方次第で、相手が受け入れてくれるかどうかも変わってきます。
なので契約書のリーガルチェックの際は、そこも含めてアドバイス差し上げるようにしています。

➤紹介手数料契約は、シンプルなようで、意外と判断が難しいときがあります。
・紹介頂いてからだいぶ期間が空いてから成約した
・もともと知り合いだった人を紹介された
・成約したが代金を払ってくれなかった…
こんなときでも紹介料を払うべきか、契約書で明確に定めておきたいです。

➤契約書にサインするかしないか、法的にはどちらもありな場合があります。そんなとき「どうするか決めたらご連絡ください」は、弁護士として間違いではないけど、少し寂しい。「例えばサインしたとして、一年後の自分は後悔していますか?」などの質問を通じて、ご本人が納得いく答えを自ら出せるような支援をしたいです。

コーチング、コミュニケーション

人は、話すスピードより、聞き取るスピードの方が速いです。
なので、聞いてる人は、最後まで相手の話を聞くのを待てずに、「いやあのね」と割り込んでしまいます。
でも人は「自分の話を聞いてほしい」という欲求があるので、割り込みは相手にとって強い不満(不快)もたらします。
意図せず不快感を与えないためにも、相手の話を最後まで聞く胆力は必要ですね。

➤クライアントには、自分の力で答えを出す力があると「信じる」のではなく「信じ切る」。
信じ切ることがクライアントの真の力を引き出します。

➤見方を変えよう、俯瞰しよう、というだけではやや抽象的ですが、
「ダブルリスニング」(二つの側面からたずねてみる)というスキルは具体的ですごく有効ですね。
・いいところは?わるいところは?
・問題は?解決は? ・内在化?外在化?
ものごとが一面的なはずはなく、人が一面的にしか見ていないことに気づきます。

クライアントがどんなことを心配していて、どんなことを大事にしているのかをしっかりつかんだうえで(←コーチング)、解決策として法律のアドバイスをする(←弁護士)、この二つはもはや切り離せない組み合わせだ思っています。

➤クライアントに「寄り添う」という言葉に時々違和感を感じるのは、寄り添って「あげる」という態度を感じてしまうからかもしれません。
それよりも一度、相手に「なりきる」ことで、真の「共感」と真の「伴走」ができるのかもしれません

心理学

ネガティブな感情は、それが強すぎると「時間の感覚」を失うそうです。
相続争いが解決するまで何年もかかったりするのも、それが理由の一つかもしれません。
「時間が解決してくれる」と安易には言えないものです。

交渉

➤交渉では、相手にどう対応するかも大切ですが、同時に、対応ではなく「反応」しちゃっている自分になってないかの確認も大切です。自分のペースで進めるためにも、対応を「選んで」いきたいです。

➤裁判のデメリットは、時間がかかってしまうこと。
でもメリットは、期日が入り、判決というゴールがあること。
いつまで交渉を続けててもらちが明かないときは、訴訟に切り替える見極めも大事です。

➤勝つか負けるか、合意するかしないか、やるかやらないか、という「二分法」は、シンプルで分かりやすいけれども、「どちらかしかない」と思考の枠を狭めてしまうリスクがあります。
「第3の方法があるはず」、と新たな選択肢を模索することに力を注ぐ方が、道が開けたりします。

➤なかなかお金を支払わない(返さない)相手に対して、「ずっと待ってあげてたが、もう限界だ」と催促すると、
「これまで何の催促もなかったのに、なんだよ急に」などという反応があったりします。
同じ「空白の期間」でも、立場や利害によって、感じ方や意味付けがだいぶ変わるものです。

➤BATNAとは「交渉が成立しなかった場合の最善の代替案」をいい、「この交渉がダメでも他の手がある」というものです。ダメな場合を考えるなんて、一見、交渉に集中できなくなるように思えますが、実はその逆で、心に余裕が生まれ、自信を持って交渉に臨むことができるようになります。

弁護士の仕事

➤弁護士は依頼者の代弁をしますが、ただのメッセンジャーだったり、拡声器になるだけではいけないです。
代弁しつつ、それが本当に依頼者の利益になるのか、頭にしっかり汗をかかなきゃなと思います。

➤法律はルールとはいえ、自動的に答えが出てくるものではなく、「どう使うか」を常に問われます。
これでいいのか、これでよかったのかを自問したり、尊敬する弁護士を想像して「あの人ならこういうときどうする?」を問うたりしています。

経営者が本業に専念できる環境をつくる。
トラブルは私が引き受けるので、経営者は本業でパワーを発揮してほしい。
そんな(勝手な)使命感で、中小企業経営者のために尽力したいと思って、日々取り組んでいます。

➤私が中小企業法務に特化している理由は、
経営者の方々の、
社会や顧客のために役立つ商品やサービスを生み出している取り組み
・責任を持って社員を養っていく責任感
を純粋に尊敬していること、そして、ともに企業の未来を考え、企業を成長させていく可能性につよい魅力を感じているからです。

➤前向きに頑張っている経営者の方に届けたいと思って書いたブログを、
前向きに頑張っている経営者の方が見つけてお問い合わせをくれたとき、「見つけてくださってありがとうございます」と心から思います。

法律

➤個人情報保護法が個人情報を保護する理由をわかりやすく言うならば、
「あなたにたどりつく怖さ」を個人情報は持っているからだと言うことができます。

➤「家族信託」は設計の自由度が高い一方で、未知の領域も存在するところが悩ましいです。
でも、どこが大丈夫でどこが未知なのかをちゃんとアドバイスできることも、専門家の仕事です。

➤『慰謝料っていくらくらいですか?』
損害賠償は、財産的損害と精神的損害を償うもので、
精神的損害(心の傷)を償う(埋め合わせる)方の賠償金を「慰謝料」と言います。
ですが、そもそも心の傷をお金で埋め合わせること自体、無理が生じてしまうものですから、適切な慰謝料がいくらなのかを決めることは永遠の課題かもしれません。

相続トラブルでは、どちらも自らの「正義」をかざし、
何年もかけて積み重なってきた「感情」が根っこにあるので、
法律を駆使することで紛争は解決しても、対立が解消されるとは限らないのが、歯がゆいところです。
それでも、できることをひとつずつ。

ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。

経営者は日々様々な課題に直面し、意思決定を迫られます。
そんな時、気軽に話せる相手はいらっしゃいますか。

私は法律トラブルに限らず、経営で直面するあらゆる悩みを「波戸岡さん、ちょっと聞いてよ」とご相談いただける顧問弁護士であれるよう日々精進しています。

経営者に伴走し、「本音で話せる」存在でありたい。
そんな弁護士を必要と感じていらっしゃいましたら、是非一度お話ししましょう。

ご相談中の様子

波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ

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弁護士 波戸岡光太
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