経営に役立つヒント集(24.9)

経営者の方に向けたお役立ちメッセージとして、X(twitter)に投稿した内容を、テーマごとにまとめましたので、ご紹介します。(24年9月分)

契約書

➤メーカーや販売者が、販売先に対して、転売や無断販売をしないよう注意喚起しても、世の中の至る所で、いたちごっこのように、それは行われてしまっている現実があります。
問題はそういう約束違反をする「こと」であるのに、〇〇人経営の店がやっていたと「人」や「国」とつなげて報道するのは、問題の本質をずらしかねず、報道する方も受け取る方も、そこは混同したり紐づけたりすべきではないと考えます。
メーカーが販売者が自社の大切な商品を、適切な相手に適切な価格で提供することを妨げられているという「本当の悩み」を解決できるよう、私はお力添えしたいです。

➤テナントの賃貸借契約に関するトラブルは、小さいものから大きいものまで多岐にわたります。 なかでも代表的なトラブルは以下の4点です。
1. 水道、ガス、電気など設備に関するトラブル
2. 雨漏りなど建物にまつわるトラブル
3. 退去時の原状回復をどこまでするのか/しないのかのトラブル
4. 保証金や敷金の償却についてのトラブル

➤マッチングサイトやマッチングアプリをプラットフォームとするビジネスがたくさん生まれています。
素晴らしいサービスが数々提供されるのと同時に、トラブルも増えています。
運営側にとってトラブルはぜひとも避けたいところでして、そのためには、トラブルを想定しての予防策と、問題が発生した際の対処を利用規約に定めておく必要があります。

「リスクがないかチェックしておいて」という指示は、不明確な指示の一つです。「何をリスクと捉えるのか」は状況や立場によって異なるからです。
なので、「はい、分かりました!」と答えてしまうと、正しいリスク対策ができなくなる「リスク」があります。

➤企業間での「競業避止義務」で、契約書の文言をどのように工夫するかが悩みどころです。ポイントをブログに書きました。
1 企業間取引における「競業避止義務」とは?
2 競業避止義務の活用例
3 競業避止義務違反の影響と企業のリスク対策
4 契約書の文言はどう修正すればよい?

法律

➤「そんなふうに言われると欲しくなっちゃう!」と思わせたい広告表示と、
「そんなふうに思わせるのはいかがなものか」と規制をかける広告規制とは、真逆の価値観に根ざしているともいえます。
マーケティングやコピーライティングと、景表法や各種広告ガイドライン
の両方をしっかり学んでおきたいです。

➤子どもの未来のために大人がどのような支援や工夫をしていけるのか、
相手の悪いところを責めるのではなく、自分がこれから何をしていくことできるのか、そのための一つの場として、家庭裁判所が用意されています。
地方裁判所とは別に「家庭」裁判所が設けられている理由はそこにあると私は思います。

➤独占禁止法っていうと、「独占」のことしか定めてなくて、競争の渦中にいる中小企業には無関係と思われがちです。
でも、正式名称は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」でして、「公正取引」を害する行為はいろいろ禁止されています。その意味で中小企業の日々の取引にも関わりの多い法律です。
なので、「公正取引法」みたいな略称もありなのでは、と思ったりしてます。

➤中小企業が資金調達をする際、「出資してもらうことになった」「出資者が現れた」という表現がよく使われます。
「出資」という言葉にはなじみがありますが、厳密にいうと、それは「株主になる」ことなのか、実は「貸金」の意味だったり、シンプルに「贈与」だったり、人それぞれに思惑や認識が異なっていることは時々あり、それが後日のトラブルのもとになりかねません。
ですので、「出資」という言葉で終わらせることなく、より厳密に、そのお金の行方や返済の有無はどうなのか、意思確認を明確にしておく必要があります。

➤解雇要件を満たしているからといって、すぐに従業員を解雇していいわけではないと考えます。とことん話し合い、一緒にやっていける可能性はないものか、別々の道を歩むべきなのか、双方が納得できる道を模索したいです。

弁護士の仕事

➤『選ばれるプロフェッショナル』は私の座右の書です。「多くのプロフェッショナルは、答えを出すことにとらわれ、自分は専門家として分析・特化に励んでいる。
他方、クライアントは、プロフェッショナルが適切な質問をし、深いだけでなく幅広い知識を提供し、分析だけでなく大局的な考え方を示し、話すだけでなくこちらの話にも耳を傾けてくれることを望んでいる。」

➤法には基本的人権や平等権とか、当たり前のことが書いてありますが、
そんな当たり前のことを書かないといけないほどに、現実にはまだまだ実現できていないことが多いってことですね。

➤幸せになりたくて、そのためにお金はある筈なのに、
お金を取り合うことで、幸せを遠ざけてしまう、そんなトラブルはなくなりません。それも含めて人間なのかしら。

➤弁護士というと「法律が全部頭に入ってるんでしょ」と言われることありますが、そんなことはありません。
それより大事なのは、依頼者の話を聞いたときに「あの法律が使える!」「最近法改正があったはず!」と使える法知識を、検索して見つけ出すことです。
イメージでいうと、頭の中に引き出しを作って付せんを貼っておく感じです。検索力、大事です。

➤リスキリングは大事。
ストレッチすることで可動域を広げていくように、体力だけでなく、知識も能力も常にアップデートしていく必要があります。
何もせず可動域が狭くなっても、その範囲でなんとかやれちゃうものですが、それがかえってこわいんです。

➤顧客のためにいい商品やサービスを生み出している中小企業経営者のパッションに刺激されて、日々弁護士としてお力添えしています。
と同時に「中小」って言葉以外に、もっといい言葉ないかなと、いつも思ってます。

➤弁護士はどんな法律分野も扱えますが、「あれもこれも」引き受けていると、結果、クオリティがと、結果、クオリティが下がってクライアントに迷惑をかけてしまうおそれがあります。
ですので、自分が注力できる分野に絞り、それ以外は、適切な弁護士におつなぎする方が、クライアントも自分も紹介された弁護士もhappyだと思います。
そのためにも、日ごろからいい弁護士さんとつながっていたいと思ってます。

➤ご相談頂く内容に、一つとして同じものはないですが、経験を重ねるほど、「こういうトラブルはよくあります」とか「こんなことが想定されます」とお伝えできるレパートリーが増えていきます。
経験「だけ」に頼るのは危険ですが、自分の引出しが増えることで、クライアントのお役に立てるのは嬉しいことです。·

➤裁判官なら分かってくれると思って訴えを起こしても、全然そうならないんだ、というのは弁護士あるあるかもしれません。
「中立」ってそういうものなのかしら、と思いながらも、あきらめずに立ち向かうのでした。

➤予防法務の重要性が高まる中、中小企業が顧問弁護士を持つことで得られるメリットは主に3つ。
1.迅速な対応力と柔軟なサポート
2.トラブルの未然防止
3.企業イメージの向上
でも一番は「あの人なら分かってくれる」という存在になれているか、ということだと思います。

コーチング、コミュニケーション

➤弁護士会会派の研修会で「弁護士のためのコーチング入門」の研修講師を担当しました。
皆さま熱心に受講してくださり、依頼者への支援に活かしたいという思いがひしひしと伝わってきました。
これからこの業界にコーチングを広めていきたいという思いを強く持つことができました!

交渉

➤交渉中に「にやり」とするのはついやってしまいがちです。でも、それって不必要に相手にネガティブな感情を起こさせて、合意が遠のく可能性があるので、避けた方がいいと思っています。

ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。

経営者は日々様々な課題に直面し、意思決定を迫られます。
そんな時、気軽に話せる相手はいらっしゃいますか。

私は法律トラブルに限らず、経営で直面するあらゆる悩みを「波戸岡さん、ちょっと聞いてよ」とご相談いただける顧問弁護士であれるよう日々精進しています。

経営者に伴走し、「本音で話せる」存在でありたい。
そんな弁護士を必要と感じていらっしゃいましたら、是非一度お話ししましょう。

ご相談中の様子

波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ

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弁護士 波戸岡光太
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