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「そんなこと、起こるわけがない」と本当に言い切れますか?~リスクマネジメント入門~
「ありえない」「あってはならない」「あたりまえ」「あいまい」。
この4つの「あ」を手放すことが、リスクマネジメントの第一歩だと言われています。最初にこの言葉を聞いたとき、妙に納得したことを覚えています。
企業が抱えるリスクは、嵐や地震のようなもので、いつどこから吹いてくるか予想しきれません。そのため私たちは、この4つの「あ」にとらわれて、リスク対策をおざなりにしがちになります。
それではよくないとは分かっていても、いったい「認識しづらいリスク」をどうやって認識すればいいのでしょうか。今回のブログでは「リスクの認識」について解説していきます。
リスクは“見える化”することで管理できる
リスクは、見えないままでは存在しないのと同じと、私たちは考えてしまいがちです。
けれど、いざリスクが現実化した時に「想定外でした」と言ったところで、それは“無策”だったと認めるのと同じです。
リスクマネジメントの出発点は、「リスクの認識」から始まります。
たとえば、業務マニュアルを見直してチェックリストを作る。事故報告を集めて原因を分析する。他部署とブレインストーミングして、新しい視点を得る。こういった作業を通して、これまで見えなかったリスクに輪郭を与えていくことが大切です。
リスクは「危険性」というより「可能性」
「リスク=悪いこと」と捉えがちですが、正確には「損失へと発展する可能性」のことです。
「これは絶対に起きない」と決めつけたり、「完璧でなければならない」と思い込むことは、リスクへの対応を誤らせる原因となります。
むしろ、「失敗は起きるもの」「人は間違えるもの」という前提に立って、冷静に準備しておく姿勢が、最も現実的で健全だといえるでしょう。
「あたりまえ」は、“誰にとってのあたりまえ”?
「そんなの常識だよ」と言われることがあります。でも、それは本当に誰にとっても同じなのでしょうか。
日本では文化や習慣が比較的似ていると言われますが、それでも考え方や価値観は人によって大きく異なります。ましてや、国籍やバックグラウンドが異なる人が集まる組織では、「あたりまえ」は人の数だけ存在すると考えるべきです。
そのため、「書かなくてもわかるはず」「言わなくても伝わるだろう」という感覚を一度手放してみることが大切です。
リスクの認識は「発見」というより「気づき」
リスクを認識する作業は、宝探しのような発見ではありません。
それはむしろ、すでにそこにある“違和感”や“曖昧さ”に気づき、言葉にする作業です。チェックリストを使う方法、ブレインストーミングの手法、インタビューなどなど、方法は自由です。ただ一つ、「考えること」だけはやめてはいけません。
最後に
リスクは、認識できなければ管理することができません。
そして、管理するためには、まず“見える形”にする必要があります。だからこそ、「ありえない」と思うことを言葉にする勇気、「あってはならない」ことを想定する冷静さ、「あたりまえ」を疑う視点、そして「あいまい」を排除する姿勢が求められます。
リスクの認識は、組織の未来を守るための“準備運動”といえるでしょう。
ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
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波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ
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弁護士 波戸岡光太
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