創造性は“特別な才能”ではない?-『進化思考』に学ぶ、新しいアイデアのつくり方-

あなたは「クリエイティブ」と聞いて、どんな人を思い浮かべますか?
アーティスト、建築家、デザイナー…。自分には縁がないと思っていないでしょうか。

でも、企画を立てるとき、問題を解決するとき、交渉をまとめるとき――そのすべてに創造性は必要です
本書『進化思考』(太刀川英輔)は、「創造性」を一部の才能ある人だけの特権にせず、誰もが使える“思考の技術”として扱っています

鍵となるのは、生物の進化プロセス
生物は、環境の変化に合わせて「変異」し、「適応」する。このプロセスを思考にも応用することで、失敗を恐れず、変化を楽しみながら創造的に考える力が身につくというのが本書の主張です。

それでは、「進化思考」を構成するエッセンスを順に見ていきましょう。

変異と適応の“らせん”が、創造性を生み出す

生物の進化において、最初に起きるのは「変異」です。
変異は、いわばエラー。偶然生じる違いや失敗から始まります。

しかし、すべての変異が生き残るわけではありません。変異したものが、環境に適応して初めて価値を持つのです。
つまり、創造性とは、「変異」と「適応」のくり返しによって生まれる“進化のらせん”にあるのです。

この進化的視点をベースに、「どのように変化するか(How)」と「なぜ、それが求められるのか(Why)」の2軸で構成された思考法が展開されていきます。

【変異】既存の枠を壊す9つの方法

創造の第一歩は、思い込みを壊すこと。本書では、固定観念を外すための「変異」の9パターンが紹介されています。ひとつずつ見ていきましょう。

1. 変量:量を極端に振ってみる

たとえば「1分で終わるサービス」「100人に同時対応」など、常識を飛び越えた極端な量を想定すると、新たなアイデアが生まれます。

2. 擬態:他の成功例を模倣してみる

異業種の成功事例を真似ることで、業界の常識を打破できます。**“あの店みたいな雰囲気をこの業種で再現できないか”**という問いが創造につながります。

3. 欠失:あえて何かを取り除く

自販機から商品をなくしたら?説明書がない製品は?と考えてみましょう。「減らす」ことで価値が出るケースは意外と多いのです。

4. 増殖:常識を超えて足してみる

レストランで20種類のソースを用意したら?選択肢が多すぎると煩雑に思えますが、「選ぶ楽しさ」を演出できる場合もあるのです。

5. 転移:場面を変えて考える

会議室ではアイデアが出ないなら、カフェで議論してみる。場所を変えることで思考が活性化します。

6. 交換:要素を入れ替えてみる

製品の「ユーザー」と「提供者」を逆にして考えてみましょう。“お客さんに設計させたらどうなるか?”という発想が突破口になることも。

7. 分離:一体化されたものを分ける

たとえばホテルの「泊まる」と「くつろぐ」を分離すると、コワーキング型ホテルやサウナ付き簡易宿泊施設など、新しい形が見えてきます

8. 逆転:あえて真逆をやってみる

“行列のできない人気店”“残業しても評価が下がる制度”など、常識の裏側を考えてみることに価値があります

9. 融合:まったく違うものを組み合わせる

たとえば「図書館 × カフェ」「銀行 × 保育園」など、意外な融合が新市場を生み出すヒントになります

【適応】価値を見つけ、文脈に応じて調整する4つの視点

創造は“変わる”ことだけでは終わりません。それが「なぜ必要なのか」を問い、文脈の中で価値を生むことが適応です。

1. 解剖:細部を徹底的に観察する

製品やサービスの内部構造や設計思想を理解することで、改良や改変のヒントが得られます。マイクロ視点です。

2. 生態:外部環境との関係性を見る

ユーザー、社会、業界との関係性から、適応可能性を探ります。競合との差別化もここで見えてきます。

3. 系統:過去からの文脈を見る

いまの製品や制度が、どのような過去の流れから生まれてきたのかを知ることで、未来の可能性も広がります。

4. 予測:未来から逆算して考える

変化が激しい現代において、「これからの社会で求められるものは何か?」を明確に想像することが不可欠です。

思考を止めない人だけが、変化を味方につけられる

創造とは、ひらめきではなく“問い続けること”と“仮説を試し続けること”の積み重ねです。
そして、それは特別な才能ではなく、誰にでも開かれたプロセスです。

変わることを恐れず、環境に合わせて調整し、また変わる。
この“思考の進化”を続けていくことで、私たちはもっと自由に、柔軟に、創造的に働くことができるようになるのです

『進化思考』はそのための地図であり、コンパスです。
「どう変わればよいか」「なぜ変わるのか」――
その問いに向き合いたいすべてのビジネスパーソンに、本書は確かな道筋を示してくれます。

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