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『ビジョナリーカンパニーZERO』から学ぶ、成長企業の設計図
「あなたの組織は、どこへ向かうべきか。そのために、どのような地図を持っていますか?」
成長し続ける企業は、単なる目先の利益を追うのではなく、未来を切り拓くための「地図」を手にしています。
その地図は、情熱だけでも、戦略だけでも、チームだけでも描けるものではありません。
『ビジョナリーカンパニーZERO』(ジム・コリンズ)は、偉大な企業が築かれるプロセスを体系化し、
その要素を4つのステージに分けて私たちに示しています。
本稿では、そのエッセンスを経営者向けに読み解き、
今、何を見直し、何に挑戦すべきかを探っていきましょう。
目次
第1段階:人材 ― 最初に「誰」を選ぶか
最初に問うべきは、「何をするか」ではありません。
「誰とやるか」です。
-
第5水準のリーダーを育てる
卓越したリーダーとは、謙虚さと不屈の精神を併せ持つ存在です。
傲慢さでは人はついてきません。かといって、受け身でも未来は拓けない。
静かに燃えるような情熱と、どんな困難にも屈しない意志がリーダーには求められます。 -
適切な人をバスに乗せる
正しい人材を集めることが先であり、その後に目的地を定めればいい。
「この人がいるなら、何をやってもうまくいく」――そう思えるチームを先につくるのです。
ポイントは、「人材を目的に合わせて集める」のではなく、
「集まった人材に合わせて目的を探る」発想に転換すること。
第2段階:思考 ― 未来を見据える知的戦略
「成功するか、失敗するか」だけで物事を見てはいけません。
柔軟かつ現実的な思考力が、未来を切り拓くカギになります。
-
ANDの才能を活かす
成功企業は、「AかBか」の二者択一を超えて、
「AもBも」の可能性を模索します。
たとえば「コスト削減」と「高品質維持」を両立する道を探すように。 -
厳しい現実を直視する
ポジティブ思考は大事ですが、同時に最悪のシナリオも直視しておくこと。
楽観主義だけでは、危機に飲み込まれてしまいます。
「残酷な事実」と向き合いながらも希望を失わないバランスが必要です。 -
ハリネズミの概念を明確にする
真に強い企業は、次の3つが重なる領域を見つけます。
①情熱をもてること ②世界一になれること ③経済的な原動力になること
それが、他にはない自社だけの核(コア)になります。
第3段階:行動 ― 「続ける力」が未来をつくる
アイディアも戦略も、行動に移さなければ意味がありません。
そして、行動とは一過性のものではなく、積み重ねでなければならないのです。
-
弾み車を回転させる
一度の大きな勝利ではなく、小さな成功を着実に重ね続けることが重要です。
それにより、やがて誰にも止められない推進力が生まれます。 -
20マイル行進を続ける
進めるときも、困難なときも、毎日20マイルだけ進む。
一気に進んで疲弊するのではなく、持続的なペースを守ることが勝敗を分けます。 -
銃撃に続いて大砲発射
まずは小さな実験(銃撃)でアイディアを試し、成功するものを見極めた上で、
大きなリソース投入(大砲発射)を行う。
いきなり大砲を撃たない。まず銃撃から。
第4段階:組織 ― 「永続する力」をどう育てるか
個々の努力が結集しても、組織の仕組みがなければ一時的な成功に留まります。
組織そのものが、自己成長できる存在であること。
これが、真のビジョナリーカンパニーの条件です。
-
建設的パラノイアの実践
成功したときほど、危機を想定し備える。
「衰退の5段階」に陥らないために、常に健全な危機意識を持ち続けます。 -
時を告げるのではなく、時計をつくる
「今何時か」を教えるリーダーではなく、
「自律的に時間を測れる仕組み」を組織に築く。
永続するためには、個人依存から脱却しなければなりません。 -
基本理念を維持し、進歩を促す
登山中は「目の前」に集中し、山頂に達したら次の「星(パーパス)」を見上げる。
成長とは、進化を続ける営みです。
「変わらない核」と「変化し続ける戦略」を両立させることが求められます。
まとめ ― あなたの地図を、描き直すとき
『ビジョナリーカンパニーZERO』第6章「地図」は、
偉大な企業を築くために「何をするか」ではなく、「どう育てるか」を教えてくれます。
人材、思考、行動、組織―この4つのステージをバランスよく進めること。
これこそが、未来に向かう確かな「地図」となるでしょう。
さて、あなた自身は、どのステージにいますか?
どこに強みがあり、どこに課題があるでしょうか?
今こそ、未来へ続く道を、自らの手で描き直すときです。
ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。
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波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ
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弁護士 波戸岡光太
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