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ちゃんと考えて”くれる”人になっていますか?―『頭のいい人が話す前に考えていること』から学ぶ実践知―
「話題の本を読んでみたい」「インプットの時間を取りたい」と思いつつも、忙しくて時間が取れない経営者の方に向けて、経営に役立つエッセンスと視点をお伝えする『良書から学ぶ、経営のヒント』。今回ご紹介するのは『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達雄哉)です。
ビジネス書の部門で2021年から2年連続でグランプリを獲得し、71万部のベストセラーとなった本書。書店で、広告で一度は見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
もしあなたが「頭のいい人」だと人から思われるようになれば、人はあなたの言うことに耳を傾けてくれるでしょう。そうすれば、あなたのストレスはぐっと減り、より一層、自分のしたいことに取り組んでいけるでしょう。
そんな「頭のいい人」が話す前に何を考えているのか、相手からの信頼を得られるようための秘訣は何なのか。頭のいい人が実践している、思考を深め、信頼を得る7つの法則を見ていきましょう。
目次
頭のいい人が心得る7つの黄金法則
1.とにかく“反応するな”
感情的になったらその時点で自分の負けと心得ましょう。人は怒っているときは頭が悪い状態になります。「キレる」というくらい怒りが強くなったときは、感情、感覚、判断などのコントロールができない、自分を見失った状態になってしまいます。
相手に圧力をかけようとして、キレるという行動に出ることがありますが、怒りを強く出すほど相手からは「この人また怒ってるな」と冷めた目で眺められ、「頭が悪い」と思われてしまうのです。
2.頭の良さは”他人が決める”
そもそも頭がいいとはどういうことでしょうか。「頭がいい」という評価は他人がしてはじめて成り立つものです。自分のことを頭がいいと言う人のことを、私たち賢い人だとは思いませんよね。「頭がいい」と認識してくれる他人が多い人ほど、その人は実際に頭がいい人なのです。
では頭のよさは何をもって評価されているかというと、2つの知性が基準となっています。ひとつは学校的知性。いわゆるIQが高いというように、記憶力や学力など数字で測ることのできる知性です。これは自分ひとりの中で完結する力です。
もうひとつは社会的知性で、あの人は何を考えているのだろうかと他者の思考を鑑みることができる力のことを指します。相手を思いやった言動で信頼を得て、人を動かすことのできる知性であり、他者の中にあって発揮される力です。
学校的知性と社会的知性、2つを併せ持つ人が頭のいい人と言えます。IQは高いけれど、SQ(社会的知能指数)が低く、相手の立場に立って考えることができない場合、空気が読めない、身勝手な人などと評価され、頭がいいとは思われないことが多いでしょう。
他方、SQが高い頭のいい人になるほど周囲からは「こんなに自分のことを考えてくれる人の言うことなら聞こう、信じよう、力になりたい」と思われて、自分のやりたいことが通りやすくなります。頭がいい人かどうかは他者評価によるため、社会的知性を磨くことが大切です。
3.人は“ちゃんと考えてくれる”人を信頼する
解決が難しい問題に直面したとき「難しいですね」でのひとことで終わらせず、ああでもない、こうでもないと試行錯誤する姿があると、それを見た人は「私たちのためにちゃんと考えてくれている」という心情になり、信頼が生まれます。結果的にはできないという結論に至るにしても、「できません」と答えを即座に出すのでなく、ちゃんと考えてくれた人に信頼が集まるのです。
4.人と闘うな、“課題”と闘え
頭のいい人は論破することを選択しません。自分と違う見解はつい論破したくなるものですが、そんな時には、相手の意見の背景には必ずその人が大切にしている思いや価値観があるのだと考えましょう。相手が大事にしているものを大事にできると、腹立たしい気持ちは抑制され、本質的な課題を見極めることができるようになるのです。
5.伝わらないのは、話し方ではなく、“考えが足りない”せい
自分の真意が伝わらず、相手から信頼を得られなかったという場合、原因は話し下手にではなく思考不足にあります。信頼が生まれ関係が深まるのは、プレゼンが上手くいった瞬間ではありません。プレゼン後の質疑応答やコミュニケーションの中で、事前にどれだけ考えてきたかが明確になっていく過程においてです。「ここまで考えて今日に臨んでいるんだな」と聞き手が理解していくほどに、信頼が深まっていきますから、話し手は伝えるべき内容を熟考しておくことが大切です。
6.知識は“だれかのために使って”初めて知性となる
自分が得た知識を話したくなるのは人間の性ですが、相手が必要としていない場合、知識の披露はうっとうしいものでしかありません。一方で、相手の困りごとにそっとよりそうように知識を差し出すことができれば、知識は知性となりうるでしょう。何かを話したくなったときには「この話は相手のためになるだろうか」という視点から話すべきかどうか吟味しましょう。
7.承認欲求を“満たす側”にまわれ
コミュニケーションの強者になるための秘訣は自分の承認欲求は抑制し、他者の承認欲求を満たすことです。自分の承認欲求は「よくやっている」と自分自身で認めて満たしてあげて、自分の功績は人の前では振りかざさずに、自分なんぞ大したことありませんよという顔をするのがベストです。有能さは結果で示しておくだけでよいのです。そうして、他者の承認欲求を満たすことに専念するほど、知性と信頼が高い人になっていくのです。
頭がいい人が他者と話す際に心掛けていることは、どれもがコミュニケーション強化に不可欠な要素でもあります。どの項目もうなずきながら読んでしまう納得の内容には、明日からのヒントが詰まっているのではないでしょうか。
【良書からこの視点】
学校では教えてくれない社会的知性を研磨して、真に頭のいい人になろう
ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。
経営者は日々様々な課題に直面し、意思決定を迫られます。
そんな時、気軽に話せる相手はいらっしゃいますか。
私は法律トラブルに限らず、経営で直面するあらゆる悩みを「波戸岡さん、ちょっと聞いてよ」とご相談いただける顧問弁護士であれるよう日々精進しています。
また、社外監査役として企業の健全な運営を支援していきたく取り組んでいます。
管理職や社員向けの企業研修も数多く実施しています。
経営者に伴走し、「本音で話せる」存在でありたい。
そんな弁護士を必要と感じていらっしゃいましたら、是非一度お話ししましょう。

波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ
著書紹介
『論破されずに話をうまくまとめる技術』
”論破”という言葉をよく聞く昨今。
相手を言い負かしたり、言い負かされたり、、、
でも本当に大切なことは、自分も相手も納得する結論にたどりつくこと。
そんな思いから、先人たちの知見や現場で培ったノウハウをふんだんに盛り込み、分かりやすい言葉で解説しました。
『ハラスメント防止と社内コミュニケーション』
ハラスメントが起きてしまう背景には、多くの場合、「コミュニケーションの問題」があります。
本書は、企業の顧問弁護士として数多くのハラスメントの問題に向き合う著者が、ハラスメントを防ぐための考え方や具体的なコミュニケーション技術、実際の職場での対応方法について、紹介しています。
『弁護士業務の視点が変わる!実践ケースでわかる依頼者との対話42例 コーチングの基本と対応スキル』
経営者が自分の判断に自信をもち、納得して前に進んでいくためには、経営者に伴走する弁護士が、本音で対話できるパートナーであってほしいです。
本書では、経営者に寄り添う弁護士が身につけるべきコミュニケーションのヒントを数多く解説しています。
経営者に、前に進む力を。
弁護士 波戸岡光太
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