経営者の孤独を減らす「相談相手」としての顧問弁護士

経営者という立場は、華やかに見える一方で、実際には非常に孤独です。
社員には言えない悩み、役員には相談しづらい迷い、家族にも打ち明けられない葛藤――経営者は常に重い決断を一人で背負っています。

そんなとき、顧問弁護士が「相談できる相手」として存在することは、経営者にとっての心理的セーフティネットになります。

経営者が抱える“相談できない問題”

経営者の悩みは、単なる法的問題にとどまりません。

  • ・新しい事業を始めたいが、リスクが見えない
  • ・役員間の意見が割れていて、判断を迷っている
  • ・社員の不祥事が発覚したが、どう向き合うべきか分からない

こうした悩みは「法律の話」であると同時に、「人の話」「組織の話」でもあります。弁護士として法的な整理を行うことはもちろん、経営者の気持ちに寄り添いながら、判断の軸を整えることこそが重要です。

コーチング的関わりで、迷いを言語化する

私は弁護士としてだけでなく、ビジネスコーチとしても多くの経営者の相談に携わってきました。その中で感じるのは、経営者の多くが「答えを知らない」のではなく、「考えを整理できていない」状態にあるということです。

顧問弁護士としての私の役割は、法的助言をするだけでなく、こう問いかけることです。

  • 「本当に悩んでいるのは、どの部分ですか?」
  • 「その判断の先に、何を守りたいと思っていますか?」
  • 「今、どんな不安が頭をよぎっていますか?」

このようなコーチング的対話によって、経営者自身が心の中を整理し、納得感のある判断へと導かれていきます。

ケーススタディ:社員との板挟みに悩む経営者

ある企業の社長は、長年勤めた社員の処遇について悩んでいました。業績が落ち、配置転換を検討していたものの、「情」を優先すべきか「経営」を優先すべきかで迷っていたのです。

私は弁護士として、労務リスクや契約上の選択肢を整理しました。同時に、コーチとしてこう問いかけました。
「この社員にとって、本当に大切なのは何だと思いますか?」
「あなたが守りたい“会社のあり方”はどんな姿ですか?」

その結果、社長は“解雇か継続か”という二択から離れ、別部署での新しい役割提案という第三の選択を見出しました。法務と対話の両面から支えた結果、葛藤の中に前向きな答えを見つけることができたのです。

顧問弁護士が「経営者の支え」になる理由

1.安心して話せる存在がいること自体が支えになる
経営者が悩みを言語化できる場を持つことで、迷いが整理される。

2.法的・感情的の両面を扱える
ルールの整理と、心の整理の両方を並行して行える。

3.判断への自信が生まれる
弁護士の法的助言とコーチング的問いかけで、決断の根拠と納得感を同時に得られる。

まとめ

顧問弁護士は、単にトラブル対応のための存在ではありません。
経営者にとっては、「相談できる相手」「一緒に考えてくれる伴走者」でもあります。

  • ➤経営判断の孤独を減らす
  • ➤感情の整理と法的整理を両立させる
  • ➤対話を通じて納得のある意思決定を支える

ビジネスコーチングのスキルを持つ顧問弁護士だからこそ、経営者の“心の課題”にも寄り添うことができます。
法務の専門家であり、同時に「経営者の思考の整理役」。それが、私が考える顧問弁護士の新しいかたちです。

ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。

経営者は日々様々な課題に直面し、意思決定を迫られます。
そんな時、気軽に話せる相手はいらっしゃいますか。

私は法律トラブルに限らず、経営で直面するあらゆる悩みを「波戸岡さん、ちょっと聞いてよ」とご相談いただける顧問弁護士であれるよう日々精進しています。
また、社外監査役として企業の健全な運営を支援していきたく取り組んでいます。
管理職や社員向けの企業研修も数多く実施しています。

経営者に伴走し、「本音で話せる」存在でありたい。
そんな弁護士を必要と感じていらっしゃいましたら、是非一度お話ししましょう。

ご相談中の様子

波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ

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弁護士 波戸岡光太
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