弁護士とことば・その4「ツウジョウどおり」

弁護士の仕事

裁判官「次回の裁判期日はいつにしますか。」
弁護士「通常どおりでお願いします。」

……「通常どおり」ってどのくらいなんだ??

通常どおりとは、「1か月」を指すことが多いです。
書面を書くのに1-2週間、
依頼者との打ち合わせで1週間、
次回の裁判日の1週間前には提出、というスケジュール感覚です。

実際、裁判は1か月ごとに開かれることが多く、弁護士は経験を積んでいくと、自然に「1か月」と言わずに「通常で」と言ってしまうのですね。

けれど、依頼者あるいは一般社会の感覚で、1か月ってずいぶん先ではないだろうか。
トラブルを一刻も早く解決したい、一日も早くすっきりした朝を迎えたいという感覚に立てば、1か月後というのはどうにも遅い。こんなペースで裁判を5~6回開いたら、あっという間に半年、いや1年だってすぐに経ってしまう。

実際、次の裁判期日までにやるべき作業の内容や量は、毎回毎回違うはず。
1か月必要な場合もあれば、1週間でできる場合もある。
1週間でできるなら、1か月も先に伸ばす必要はない。
そうすることで、弁護士は、少しずつでも裁判のスピードアップを目指し、誰もが利用しやすい裁判環境を作っていく必要があるのではないでしょうか。

それなのに、「通常どおり」と言って、今の裁判ペースを標準的なものと肯定してたら、いつまでも裁判は遅いまま、変化しないのではないかと思うわけです。

なので、私は、「通常どおり」という言葉は使わないようにしています(^^)

ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。

経営者は日々様々な課題に直面し、意思決定を迫られます。
そんな時、気軽に話せる相手はいらっしゃいますか。

私は法律トラブルに限らず、経営で直面するあらゆる悩みを「波戸岡さん、ちょっと聞いてよ」とご相談いただける顧問弁護士であれるよう日々精進しています。
また、社外監査役として企業の健全な運営を支援していきたく取り組んでいます。
管理職や社員向けの企業研修も数多く実施しています。

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そんな弁護士を必要と感じていらっしゃいましたら、是非一度お話ししましょう。

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波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ

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