Blog 最新記事
- 個人情報と「本人の権利」を整理しました〔個人情報保護法を理解しよう〕2025-01-07
- 個人情報の「漏えい」対応の重要性〔個人情報保護法を理解しよう〕2025-01-07
- 個人データの「第三者提供」とは?〔個人情報保護法を理解しよう〕2025-01-07
- 個人情報の「利用目的」の制限・変更〔個人情報保護法を理解しよう〕2025-01-07
- 個人データ「管理」の重要性と実践〔個人情報保護法を理解しよう〕2025-01-06
カテゴリ
債権回収にかかった弁護士費用を相手に払わせたいんだけど、どうなの?
取引先が代金を支払わず、再三請求してきたが、どうにもうまく進まない。
そこで弁護士に依頼して債権回収を進めることにした。
なんとか弁護士には頑張ってほしいところだが、この弁護士費用も相手に払ってもらえないだろうか。。。
そもそも相手がスムーズに債権回収に応じれば、弁護士費用だってかからなかったはず。。。
これはよく受けるご相談です。
払わない相手が悪いのに、なんで自分が弁護士費用を負担しなければならないんだという気持ちは、たしかにその通りです。私も依頼者だったらきっとそう思います。
ただ、実際はそうならないのが歯がゆいところです。
弁護士費用は自分で負担するのが原則
債権回収が滞ったとき、そのアクシデント自体には、自分に原因はありません。
けれどそのアクシデントに対して、どのような対策をとるのか(自分で進めるのか弁護士に頼むのか、弁護士に頼むとしてどの弁護士にいくらの費用で頼むのか)は、ご本人の判断によるものであり、その対策費用は自分で負担すべきというのが主な理屈です。納得感あるでしょうか。
たしかに弁護士費用もいろいろですから、相手としても、かかった費用を全部払えと言われたら、どんな弁護士費用が乗っかってくるか分からないですから酷ともいえます。
なので、債権回収で弁護士費用もあわせて請求するのは、原則としてできません。
…原則?
ということは例外もあり?
はい。
判例は、交通事故などの不法行為において、賠償金額の1割相当額を弁護士費用として請求できると判断しています。
交通事故などでは、どんな人かも知らない相手にけがをさせられたのだし(債権回収のように取引相手を選べない)、自分の被害や相手の加害行為を丁寧に主張立証しなければならず、それを一人でやるのは大変だろうというのが主な理屈です(同程度に大変だという理由で契約不履行でも安全配慮義務違反などでは請求できるとされています。)。
そうなのですが、売掛金や請負代金などの債権回収の場面では、弁護士費用を相手に払わせることは原則できないと考えた方がよいです。
ですので、最近は、弁護士費用を出してくれる保険も増えてきています。
弁護士費用の出費自体も将来のリスク管理にいれておくのがよい、ということなのですね(^^)
最後に簡単に整理しておきます。
・債権回収(契約不履行)→弁護士費用の請求NG
・不法行為→OK
・不法行為と同程度の主張立証が必要な契約不履行→OK です。
ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。
経営者は日々様々な課題に直面し、意思決定を迫られます。
そんな時、気軽に話せる相手はいらっしゃいますか。
私は法律トラブルに限らず、経営で直面するあらゆる悩みを「波戸岡さん、ちょっと聞いてよ」とご相談いただける顧問弁護士であれるよう日々精進しています。
また、社外監査役として企業の健全な運営を支援していきたく取り組んでいます。
管理職や社員向けの企業研修も数多く実施しています。
経営者に伴走し、「本音で話せる」存在でありたい。
そんな弁護士を必要と感じていらっしゃいましたら、是非一度お話ししましょう。
波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ
2024年12月、本を出版いたしました。
新作著書『弁護士業務の視点が変わる!実践ケースでわかる依頼者との対話42例 コーチングの基本と対応スキル』を出版いたしました。
経営者が自分の判断に自信をもち、納得して前に進んでいくためには、
経営者に伴走する弁護士が、本音で対話できるパートナーであってほしいです。
本書では、経営者に寄り添う弁護士が身につけるべきコミュニケーションのヒントを数多く解説しています。
経営者に、前に進む力を。
弁護士 波戸岡光太
東京都港区赤坂3-9-18赤坂見附KITAYAMAビル3階
TEL 03-5570-5671 FAX 03-5570-5674