債権回収の最短ルート

債権回収

取引先が代金を払わない。債権回収問題の発生です。
こんなとき、債権回収の最短ルート、つまり、いち早く債権回収を完了させる方法を知りたいというご質問をよく頂きます。

敏感になる

最短回収という点を重視するならば、文字どおり「スピーディに対処する」の一言に尽きます。
まずは、①支払遅れの発生にいち早く気づき、敏感になること。
「多少の遅れはよくあることだよ」というゆるい考えは禁物です。
相手がこちらのことを大切に思っているのならば、締め切りを守るはずです。
それを守らない、遅れてもいいだろうと考えて払ってこないとすれば、
相手はその分、こちらの優先度を下げたことになります(逆に、家賃や光熱費などは、ライフラインに深くかかわるので、人はめったに優先度を下げません)。

いちど優先度を下げられると、その優先度は今後下がる一方です。
こちらが「多少の遅れは目をつぶってあげよう」とか「少し待っててあげよう」と温情をかけたつもりでも、相手がそれを好意と受け取ってくれるとは限りません。
むしろ「あの会社は後回しでも大丈夫だ」「それより優先順位の高いところから支払っていこう」という態度に出られ、スピーディな債権回収はみるみる遠のきます。
一度下がった優先度を再び上げさせるのは簡単ではありません。
なので、相手の支払遅れが発生したら、敏感に反応して、相手にすぐに連絡を取ることが最短回収のために必要です。

内容証明郵便

つぎに、②内容証明郵便を、できれば弁護士名ですぐに送ることが効果的です。
これも相手の関心が高いうちに対処するのが効果的です。
支払日がすぎた直後は、相手もまだその債務についての関心が高いです。
相手の意識がこちらに向いているうちに、「私は本気だぞ」という姿勢を示すのが効果的です。
それをせずに時間だけがたってしまうと、相手としてもだんだん関心が薄れていきます。
相手の関心が薄れた頃に、しびれを切らした債権者が弁護士に依頼して、ようやく内容証明を相手に届けたとしても、相手としては「何をいまさら」という具合にしか思わないかもしれません。
私の経験上も、早い段階での内容証明郵便による督促ほど回収率が高いという実感を持っています。

仮差押え

つぎに、③相手の資産が分かっている場合は、それを一旦差し押さえるという仮差押手続きもインパクトが大きいです。
相手にとっては、裁判などが始まる前に、いきなり不動産や預金が差し押さえられてしまい、自由な処分や引き出しができなくなります。
あくまで仮の差押えとはいえ、これはダメージが大きいです。
「後回しでいいや」という扱いを受けていた債務が、「今すぐ解決せねばならない債務」に切り替わります。
差し押さえた瞬間に、それまで無視を決め込んでいた相手方が即座に全額を送金してくることも、実はよくあるケースです。

このように、債権回収の最短ルートは、何より「スピーディな対処」、これに尽きます。
もちろん、取引相手との関係もいろいろあり、一回限りの関係で今後の付き合いを考えなくてよい相手もいれば、今後も継続的に取引を続けていかねばならない相手もいるでしょう。
ですから、相手との関係次第では、そのスピード感に違いも生じることと思いますが、
もしいち早い債権回収を目指さなければならない場面に遭いましたら、今回のブログがお役に立つことと思います(^^)

ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
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私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。

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波戸岡 光太 (はとおか こうた)
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