内容証明郵便が届いた!回答期限が書いてあるけど、過ぎたらどうなる?

債権回収で内容証明郵便を出すときに、「1週間以内に回答せよ」などと回答期限を定めて通告することが多いです。
これって、どのくらいの拘束力があるのでしょうか。
逆に、内容証明を受け取った側は、この回答期限を守らないといけないのでしょうか。

回答期限の意味

たしかに、債権回収に限らず、弁護士からの内容証明郵便に「1週間以内に回答してください。期限内に回答を頂けない場合には、民事訴訟を含めた法的手段を検討します。」などと書いてあれば、受け取った人は、ふつうはビビります。

ふつうはビビります。

…これが目的なんですね。
こう書けば相手がびっくりするだろうと。

しかも、すぐ回答しろとは言わない。「一定の猶予期間を与えて回答を待ってあげる」という体をとる。それをやぶって次の段階に進んだら、それは請求者のせいではない、期限を守れなかったあなたのせいなんだと。。。
なので、この手紙を受け取った人は、間に合わなかったらどうしよう、自分のせいで次の段階に進んじゃうのは怖いという心理状態になるのでしょう。

けれど、理屈を考えれば、「いついつまでに回答せよ」というのは一方当事者が勝手に決めた線引きにすぎないので、同意していない相手方が拘束されるいわれはありません。
相手が決めた締め切りに、なんで私が合わせなければならないんだということです。
だから、一方が勝手に決めたデッドラインに拘束される義務はありません。

私の考え

義務はありませんが、、、

できれば期限内に回答したほうがいい、というのが私の考えです。
自分の意見が明確にあるのならそれを伝えればよく、まだ検討時間が必要なら、「手紙は受け取った。こちらの考えはあとで送るから待ってなさい」程度の返事で構わないと思います。

請求者が期限を定めたということは、最低でも「返事がほしい」あるいは「返事する気があるのか知りたい」というメッセージでもあります。
なので、請求に応じるにせよ、応じないにせよ、期限を過ぎることで「無視した」と思われるのは「無礼なやつ」と思われる点で、あまりメリットがないかなと思うのです。

やや話があちこち行きましたが、要は、請求する側も回答する側も「交渉」という「合意を目指すコミュニケーション」を行っているのだから、下手な脅しあいかましあいをするのではなく、より質の高い合意を目指したい、そのための最善を模索したい、ということが言いたかった訳です(^^)。

内容証明に返事をした後どうすればいい?

ここまでで、内容証明に返信する意味や回答期限に込められたメッセージを理解していただけたかと思います。
しかし、いざ内容証明に返事をするとなると、どう回答すればいいのか分からなくて不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
これについては、「内容証明の内容に同意できる部分と同意できない部分」とに分けて整理すると分かりやすいです。

1.内容証明の内容に同意できる部分

人は文章で要求されると、何かと反論したくなったり、内容を認めてはいけないのではないかと警戒感を募らせてしまう傾向があります。
もっとも、事実を認めることと、相手の言い分を認めて降伏することとは必ずしもイコールではありません。
同意できる部分は同意することで、むしろあなたの誠実な態度が伝わり、その後の交渉がスムーズに進むことは数多くあります。
その一方で、不用意に同意することで、後々の自分の言い分に矛盾が生じてもいけませんので、慎重さも必要です。

2.内容証明の内容に同意できない部分

事実に反することが書かれていればきっちり否定すべきですし、こちらの認識を正確に伝える必要があります。
もっとも、「おかしいじゃないか。実際はこうなんだ。ふつうそう考えるだろ」などと憤りの気持ちが先行してしまうと、文章も感情的になってしまいます。そうすると、先方も同じく感情的になり、さらなる反論を誘発し、対立が深まり、結局のところ解決が長引くリスクがあります。

このように、同意できる部分と同意できない部分とで、それぞれ気を付ける点が異なってきます。
そうすると、内容証明に返事を書くにあたり、どういう点に気を付けるべきか、どうやって適切な自己主張を行うかなどについて、弁護士のアドバイスは大変有効になります。
ご自身の返事が、法的にみて問題ないか、交渉の仕方として順当であるか、味方であり第三者でもある弁護士のアドバイスを、いちどは受けてみる価値があります。

弁護士に相談するときの費用は?

ところで、債権回収や内容証明で悩んでいる方を私にご紹介して頂くときに、
「弁護士費用はいくらぐらいですか?」
「依頼したらどのくらいのお金がかかりますか?」と聞かれることがよくあります。
これは弁護士に会ったその段階で自動的に依頼したことになり、それなりの費用が発生してしまうのではないか、という不安があるからだと思います。
でも、そういうご心配は無用です。

最初のご相談では、まずはあなたの状況を聞かせていただきアドバイスをしっかり行います。そのうえで、今後もご自身で対応可能なのか、弁護士に依頼するのであればいくらかかるのか、というご説明をします。
つまり、ご相談したその日は、相談で終われば法律相談料がかかるだけで、予想外のお金がかかるということはありません。
その意味で、最初の相談はあなたが本当に弁護士に依頼するべきかどうかを考える時間でもあります。
まずはお気軽に相談をしに来ていただければと思います。

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波戸岡 光太 (はとおか こうた)
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