内容証明の期限をすぎても返事がない! そんなあなたがするべき次の一手

弁護士に依頼して、債権回収のための内容証明を出したものの、返事がない。
今後の対策を弁護士に尋ねたところ、「裁判するか、あきらめるかですね」と、そっけなく言われてしまった。。

本当に裁判するかあきらめるしか対処法はないのでしょうか。
いえ、そんなことはありません。
できることはもっとあります。
まずは、

文書をもう一度送りましょう。

返事がない理由として、相手が文書が届いていることを知りながらも、その対応から目を背けたり、ただ問題を先送りにして、「対応の優先順位を下げている」可能性が考えられます。
この場合、同様の文書を2度、3度と繰り返し送ってみることで、相手も「これは無視しきれないんだな」と認識し、実際に返事が返ってくることはよくあります。
ですから、内容証明を一度送って返事がないからといってすぐにあきらめる必要はありません。繰り返し送ることで、相手に優先順位を上げさせることに挑んで頂きたいです。

連絡が取れている場合はまず会うこと

また、内容証明に対するレスポンスはないものの、電話をすれば出るということも少なくありません。連絡が全く取れない訳ではないので、できることはありそうだけど、次の一手をどうするべきかで悩んでいる経営者の方も多いです。
そんな経営者の方にヒアリングしてみると、「電話で連絡が取れているから」ですませており、実際に会ってお話をされていない場合が意外と多いです。
おそらく会いに行っても「払ってください」以外に話すことが見当たらなかったり、怒りをぶつけてしまいそうだと考えて、会うことを躊躇してしまうとのことです。

でも、実際に会うことで、相手の返答に対する温度感をじかに知ることができますし、万一契約書を取り交わしていない場合には相手に支払義務を自覚させることもできます。

また、弁護士が立ち会うことで、緊張感を持って着実に話を進めることもできます。
自分だけだと「冷静に状況を整理できる自信がない」という場合などは、必要に応じて私を呼んでいただくよう、顧問先の経営者の方々にはお伝えしています。

「今は苦しい」という返事への対応策

支払いが滞っている場合、相手側にもそれなりの事情があることが多いです。
相手の立場からすれば、「資金繰りが厳しいのに内容証明が来てしまい、どうしようか考えているうちに時間が経ってしまった。」ということもよくあります。

もちろん、その相手の気持ちに同情してください、とは言いません。
「今は厳しいから、来月になったら」というのを言われるがままに受け入れていては、本当に回収できるのか不安ですし、支払いが始まるまで放置されれば、それこそ優先順位が下がってしまいます。
それでも、相手の本心に触れることで冷静な気持ちになり、「より現実的な提案をしてみようかな」と考えることができます。

大切なことは、“こちらも相手も、この債権回収のなやみから一刻も早く解放されること”です。
そういう意味でも、「会って相手の様子をじかに知ること」はとても有効です。
そして相手と会った際には、相手の状況を知るだけではなく、少額でもいいから毎月支払う約束を取りつけることをおすすめします。
たとえ少額でも「毎月支払う」という事実を作ることが、崩れかけた信頼関係を取り戻す要素となり、お互いの精神衛生上もプラスに働きます。
回収する側は「払ってもらえている」と安心できますし、支払う側も「債務を抱える居心地の悪さ」から解放されることで、信頼という“人生の財産”を取り戻せるかもしれないのです。

以上は、相手に支払う意思が(わずかであっても)ある場合の「次の一手」です。
さてつづいては、相手が内容証明に対する無視を決め込んだり、繰り返しの請求をしても変化がないなど、「逃げ切りをもくろんでいる」場合の対応策をお伝えします。

こうなると内容証明レベルの対応では限界がありますので、裁判を検討する必要がでてきます。
もっとも、裁判を経験したことがない方の場合、裁判という言葉を聞いただけで、「大ごとにはしたくないな」「費用はどのくらいかかるんだろう?」「期間はどのくらい?」「本来業務に支障はないか?」などと不安に感じることがたくさんあると思います。

けれど、ご安心ください。
イメージ上の裁判と実際の裁判とは異なるところが多く、裁判は思った以上に身近で活用でき、信頼できる弁護士に依頼することで迅速な解決を目指すことができます。
具体的に見ていきましょう。

裁判は時間がかかる?

先ほど紹介したケースのように、何度連絡しても相手からの返事がなく事態が停滞している場合、そのままにしていても事態は変わりません。気づけば数年経っていたということもよくあります。
しかし、裁判に持ち込めば、約1ヶ月ごとに期日が開かれ、着実に話が進んでいきます。
裁判期間の目安ですが、早ければ半年くらいで、多くは1年程度で和解により解決することが多いというのが私の実感です。
このように、裁判の方が交渉よりも短い期間で解決できる場合があり、しかもスケジュールを立てやすいというメリットがあるのです。

裁判は大ごとになる?

裁判といっても、テレビドラマに出てくるような法廷でやることは少なく、小さな会議室のような場所(弁論準備室といいます)で、裁判官が当事者の間に入り、話し合いを行います。
裁判では、書面でのやりとりがしばらく続いた後、最終的に当事者間での和解を目指すか、法廷で証人尋問を行い裁判所に判決を出してもらうかのいずれかになります。
このように、裁判のほとんどが会議室で行われ、その大半が証人尋問まではやらずに話し合いで解決していますので、思っているほど大ごとになるわけではありません。

裁判までにやらなければならないことは?

これまでに何があったかを、時系列で整理しておく必要があります。
裁判官に時系列に沿って事実を説明することで、裁判官も全体を捉えやすくなり、裁判の進行がスムーズになります。
ただ、事実を整理するのは弁護士である私の役目なので、依頼者の方には自分が一番伝えたい想いを伝えることに集中して頂きたいです。

裁判となっても安心してください。本来業務に集中できるようサポートします。

裁判では、法廷や弁論準備室にご本人が行くこともできますが、弁護士に一任することも可能です。
裁判に私一人で行くこともありますし、大事な場面のときにだけ来ていただくこともあります。

何があったのか、どんな証拠を持っているのかを弁護士にしっかりお伝えいただくことで、本業である事業に支障が生じないように私たちがサポートすることができます。

ですから、「忙しいから」という理由で債権回収を諦めず、
内容証明の送付を行った後は、裁判を行うことも視野に入れてみてください。
債権を回収できるかどうかももちろん大事ですが、結果以前にやれることはやるべきですし、私はそのサポートを惜しみません。
ぜひご連絡ください。

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私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。

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波戸岡 光太 (はとおか こうた)
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