契約書リーガルチェックのいろは-やっててよかったリーガルチェック-

今回は契約書リーガルチェックについてお話します。
契約書リーガルチェックとは、契約書に法的な問題点がないかとか、自社に不利益な定めが盛り込まれていないかなどを、契約締結前に弁護士がチェックすることです。
契約書を交わすたびに、弁護士にチェックを頼むのは、もしかしたら面倒な手間に聞こえるかもしれません。
しかし、リーガルチェックを行うことで、思わぬ落とし穴を回避し、将来のトラブルを予防できるので、ぜひ知っておいていただきたいです。

どうしてリーガルチェックが大事なの?

相手方との交渉が進み、いよいよ新しいビジネスが始まるぞ!ついに契約を結ぶぞ!となった場面では、前に進めたい気持ちが前面に出るので、「まさか契約書に問題があるはずはないだろう」という正常性バイアスが働きます。
正常性バイアスとは、自分に限っておかしなことは起きないはずだと、リスクを無視又は過小評価してしまう心理状態をいいます。

つまり、契約書の中に自社に不利な条項や不明確な条項があっても、ついつい気づかずに、あるいは自分勝手な判断で「問題なかろう」「大丈夫でしょ」と流してしまいがちなのです。

だからこそ、サインをする前に、第三者の目を通してリーガルチェックを行い、新しいビジネスへの高まる期待をいったんクールな目で確認しておくことが必要であり、それこそがリーガルチェックの役割だともいえます。

反対に、リーガルチェックを受けないで契約し、後になって問題が起きたケースで契約書を見せて頂くと、「なんでこんな契約書にサインをしたのですか?」とつい言いたくなってしまうことが多いです。
それは経営者ご本人の方も同じで、「こうなるんだったら、いちどリーガルチェックをお願いしておけばよかった」と嘆かれておられます。

例えばどんな契約書?

一番極端なケースでは、業務提携の際に自社株を安く渡してしまっているケースがありました。

契約当時は「相手はパートナーとしてそれだけ本気なのだな」と信じ込んでしまい、株を渡すことを疑問にすら思わなかったようです。

そこまで極端ではなくても、フランチャイズ契約で、途中解約する場合には高額な違約金を払うことになっていたケースもあります。
契約時は事業がスタートすることへの期待度が高く、まさか将来に中途解約する事態になることなど微塵も考えていなかったので、違約金条項の存在すら気づかずにサインしてしまったとのことです。

このように、リーガルチェックを入れないと、冷静な第三者の目が入らないために、アツい気持ちのまま進んでしまい、思わぬ落とし穴に気づかないことが起きてしまいます。

リーガルチェックを行うことで、相手の隠れた意図が明らかになり、契約見直しの必要に迫られることは数多くあります。
もちろん他方で、リーガチェックを行うことで、契約書に何ら問題なく、安心して取引を進められることがより明確になることも数多くあります。

リーガルチェックの時間と費用はどれくらいかかるの?

私の場合、1日お時間を頂ければ、通常の契約書はチェック可能ですので、契約締結前は必ずリーガルチェックを入れることをおすすめします。

次に費用について、業界での相場は3〜5万円位かと思いますが、私はチェックの度合いにより、費用を分けています。
目を通したうえ、ほぼ手を入れなくとも問題がない契約書の場合は1万円
一定程度の手直しや修正作業が必要となる場合は3万円
修正作業や打ち合わせが多く、契約書作成に匹敵するような場合は5万円 をそれぞれ頂いています。

このような時間と費用でできるものなので、その後のリスクを考えると、コスト面からもリーガルチェックはおススメしたいと思っています。

弁護士によってリーガルチェック方法は違う?

方法論とは少し話がずれますが、
なかには「契約書リーガルチェックは単調でつまらない」という人もいます。
しかし、それは契約書をただの文言としてしか捉えていないからだろうと私は思います。

現場のビジネス、業種、会社規模、取り巻く環境によって、同じ表現を使っていてもOKとするかどうかは変わってきますので、リーガルチェックは奥が深いです。

つまり、契約書リーガルチェックは、ただの契約書の文言チェックではなく、これから始まるビジネスのリアルと、それをめぐる契約書との整合性を測るために行うものであり、ビジネスそのものへの確かな共感と理解が欠かせないのです。

以前、顧問契約を頂いて間もない会社の社員様から「販売委託の契約書を見てください」と連絡をいただきました。
そこで私が「どういう製品を、どういう方を通じて販売するのですか?」と質問すると、「前の弁護士さんはそんなこと聞かずにやってくれましたよ」と、少し不服そうに仰いました。
けれど、私が「大事なところなのでぜひ教えてほしい」とお願いしてお話を伺うと、今回の販売委託取引の特徴や委託先において起こりうるリスクが具体的にイメージできたので、そのことを明確に定めた契約書にしましょうと伝えました。
すると、その社員の方も「そう、そうなんですよ! 話をしておいてよかった」と安堵して頂けました。

どんな取引なのかをしっかりお伝えいただくのは、一見手間なようでいて、実はリーガルチェックのキモだといえます。
弁護士が質の高いリーガルチェックを行うためには、実際の取引とビジネスの内容をしっかり共有しておくことが不可欠です。
ですので、会社がリーガルチェックを依頼する際にも、熱心に自社のビジネスに関心をもってくれる弁護士に依頼することをおすすめします。

波戸岡流リーガルチェックとは

私は、お客様企業がどんなビジネスをしているのか、どんな取引をしているのかをしっかり伺い、理解するところから始めています。
なるべく詳しくお話を伺いたいので、メールで問い合わせを頂いた場合でも、最初のうちはできるだけお会い頂くようお願いしています。

先日、新しいWEBサービスを始めるにあたってのリーガルチェックを依頼されましたが、私としてはいまいちそのサービス内容をつかみきれませんでした。

契約書自体は一見問題ないように見えましたが、私はその会社を訪問して、その新規ビジネスの話を伺いました。
そうしましたら、新規ビジネスの内容と実現にむけた方向性をつかむことができ、最初の契約書を越えて、より一層そのビジネスにフィットした契約書に仕上げることができました。
やはり、契約書を見ただけでは判断できないものだと改めて実感しました。

どんな契約書にもリーガルチェックは必要?

大型取引はもちろんのこと、些細なものと思える契約書でも、リーガルチェックをしておくことをおすすめします。
自社で契約書を作成するときはもちろん、他社で作成された契約書にサインをするときにも、合意内容が適切に契約書に反映されているか、リーガルチェックを依頼したほうがよいです。
思わぬ落とし穴を避け、将来のトラブルを予防し、安心して取引を進めていくために、ぜひ契約リーガルチェックの意義を検討して頂ければと思います。
ご不安でしたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。

経営者に、前に進む力を。
弁護士 波戸岡光太
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