エスカレートするクレームの要求にはどこまで対応すべき? 弁護士がその基準を解説します。

不当なクレームはただでさえ嫌なものですが、その中でも一番現場が疲弊するのは、「一体、どうしてくれるんだ。誠意を示してもらいたい」というような、内容のはっきりしない要求です。

お金に関する要求であれば、要求の内容がはっきりしているので、YesかNoか、対処の判断は比較的しやすいといえます。
しかし、要求の内容がはっきりしない場合だと、お金を払って早く終わりにしたいという選択肢すら奪われてしまい、とことんクレームに苦しめられてしまいます。

具体的な事例として、顔写真の掲載をめぐるトラブルありました。
お客様を写真に撮ってHPにアップすることは、業種を問わずよくあることですが、許可を得ていない方の写真を誤ってアップしてしまい、苦情が入ったというケースでした。
問題となった写真は、大人数会場でのぼかした画像にかすかに映り込んでしまったもので、掲載した日の午後に苦情が入りました。
サイトのオーナーは即座にHPを削除して謝罪しましたが、アップされた人は、サイトからの消去はもちろん、掲載していた期間に画像が第三者の手に渡っていないかどうかを調べ、世の中から一切の画像が削除されたことを証明することのほか、経緯と謝罪文を関係者全員に告知せよなどの要求をしてきました。
オーナーはその方に必死に謝罪しつつも、その証明ができずにやりとりは毎日続き、申し訳ない思いと終わらない要求に追われ、疲弊しきっていました。

終わりの見えないやりとりを毎日続けることは、お金で解決する以上にダメージが大きいです。
このような難しい要求をされた時には、一体どのように対処すればいいのでしょうか。

そもそも、なぜこんなクレームで苦しむのでしょうか。
その大元をたどると、「当社の落ち度でお客様にご迷惑をかけたのだから…」とか、「元はといえば、うちが招いたことだし…」などという負い目が働いていることが多いです。
ことの出発点に“自社の落ち度”があるので、相手には下手(したて)に出なければならない、というメンタルブロック(固定観念)が働いてしまうのです。
このメンタルブロックを脱しないと、いつまでも相手の言い分に付き合ってしまう状態となります。

しかしよく考えてみれば、負い目は落ち度の範囲で感じれば十分です。
いつまでも負い目を感じつつけなければならない道理は、実はどこにもありません。
そこで、いつまでも負い目に引っ張られずにすむ方法をお伝えします。

1.自社の落ち度と相手の要求が関連しているのかを冷静に見比べてみましょう。
「それはそれ、これはこれ」と考えてみることです。自社にも落ち度があるという感情をいったん切り離したうえで、相手の要求にどこまで付き合えばよいのかを考えると、現在の状況を冷静に観察できるようになります。

2.自社でどこまで対応できるのかの線引きを明確につけましょう。
「これ以上は無理です」「ここまでが当社でできる最大限です」と白旗をあげるラインを決め、これを明確に示します。
クレーマーは、つつくと相手が動き、つつくと相手が怖がるという関係性に快感を覚えます。自分が交渉の主導権を握っていることに喜びを覚えるのです。
そういう相手には、あえて「ここまでで降参です」と伝えることで、それ以上つついても動かないですよ、これ以上要求しても事態は変わりませんよというメッセージを伝えます。
すると、相手もそれ以上は状況をコントロールできなくなり、決着をつけざるを得なくなります。
「これ以上は言っても聞かないんだな」とクレーマーに感じさせることが、事態収拾への近道となります。

この二つを実践するだけでだいぶ見通しが変わってきます。
もしそれでも相手がクレームを続けてくるようであれば、もはや自社抱え込まずに弁護士に相談したり、任せてしまうことも有効な手段です。
私の場合、「“解決するまで”定額相談サービス」をご用意しています。

これらはクレーム問題が解決するまでの間、定額3万円/月でクレームに対する対応策をアドバイスするものです。
このサービスでは着手金や報酬が発生せず、しかも問題が解決するまでサポートを受けられるので、気軽に相談しやすいと好評いただいております。

また、アドバイスを受けながら対応を続けても解決の兆しが見えないときは、定額相談サービスとは別に、私が代理人としてクレーム対応を引き受けることも可能です。その場合は、それまでの経緯を知っているためスムーズに移行することができます。

クレーム対応はとてもデリケートなものです。そして、感情のもつれから事態がどんどんややこしくなることもあります。
そんな時は、このブログでお伝えしたことや、「弁護士が教える!クレーマー対応完全マニュアル」などをご活用ください。
また、自分たちで悩みを抱えずに、いつでもお気軽にご相談ください。

経営者に、前に進む力を。
弁護士 波戸岡光太
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