Blog 最新記事
- 準備ができれば話し上手の道が開ける from『世界のトップリーダーが話す1分前にまでにおこなっていること』(良書から学ぶ経営のヒント)2024-12-15
- 信念への共感が心をつかむ from『すごい傾聴』(良書から学ぶ経営のヒント)2024-11-15
- 「見て見ぬふり」はこうして起こる-コンプライアンス違反を防ぐための心理的アプローチ-2024-11-04
- コンプライアンス違反を防ぐ少数派の影響力2024-11-04
- アンコンシャス・バイアスがコンプライアンス違反を招く?-無意識の偏見と公正な職場-2024-11-04
カテゴリ
社宅使用契約書のリーガルチェックポイント
会社が建物やマンションを借り上げ又は所有し、従業員に社宅として利用させることは多くあります。
会社としては福利厚生の一環として行うものですが、従業員にとっては生活の本拠ともなるため、使用方法や退去時にもめてしまうこともしばしば起こります。
そこで今回は、社宅使用契約書についてのリーガルチェックポイントを解説します。
1 従業員の負担額を低額にする
社宅という名目であっても、従業員の負担する使用料が、建物所有者への家賃や近隣の家賃相場と変わらない場合は、通常の建物賃貸借だと評価され、借地借家法が適用されることになります。そうすると、雇用関係が終わったとしても、さらに「正当事由」がない限り、会社は従業員に退去を求めることができなくなります。
ですので、家賃の相当部分を会社が負担し、従業員の利用料は低く抑えることで、実質的にも福利厚生の実態を持たせて、借地借家法の適用がないようにすることが必要です。
2 使用規則を定める
とくに借り上げ社宅の場合は、会社としても所有者の意向に従わなければならず、また近隣住民との関係も良好に保ってもらう必要があります。
ですので、従業員に対しては、自宅とはいえ、あくまで会社が借りている家を利用しているという意識を持ち続けてもらうよう、入居者や利用者の範囲の制限、騒音防止や生活音の配慮、ゴミだしルールや駐車場・駐輪場の利用方法の遵守、造作や備品の丁寧な扱いの実践などといった、使用規則やルールを定めておくようにしましょう。
3 退去時のルールを定める
従業員の退職に伴って、社宅からも退去することになりますが、その場合の原状回復義務の範囲や退去時期の設定、さらには万一連絡がとれなくなったりした場合の措置も定めておくようにしましょう。
もっとも、従業員が退職して、社宅を利用する権限がなくなったからといって、会社は当然に社宅内に入り、荷物を片づけたり処分していいことにはなりません(自力救済の禁止)。
ですので、退去に向けての手続きや法的措置に進む場合の段取りを定めておくようにしましょう。
以上のように、社宅契約書で注意すべきリーガルチェックポイントを整理しました。
入居時から従業員とのトラブルを想定するのはあまり楽しい作業ではありませんが、備えあれば患いなし。ぜひ参考にしてみてください。
リーガルチェックのご依頼ご相談も受け付けていますので、その場合は下記フォームからお問い合わせください。
ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。
経営者は日々様々な課題に直面し、意思決定を迫られます。
そんな時、気軽に話せる相手はいらっしゃいますか。
私は法律トラブルに限らず、経営で直面するあらゆる悩みを「波戸岡さん、ちょっと聞いてよ」とご相談いただける顧問弁護士であれるよう日々精進しています。
また、社外監査役として企業の健全な運営を支援していきたく取り組んでいます。
管理職や社員向けの企業研修も数多く実施しています。
経営者に伴走し、「本音で話せる」存在でありたい。
そんな弁護士を必要と感じていらっしゃいましたら、是非一度お話ししましょう。
波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ
2024年12月、本を出版いたしました。
新作著書『弁護士業務の視点が変わる!実践ケースでわかる依頼者との対話42例 コーチングの基本と対応スキル』を出版いたしました。
経営者が自分の判断に自信をもち、納得して前に進んでいくためには、
経営者に伴走する弁護士が、本音で対話できるパートナーであってほしいです。
本書では、経営者に寄り添う弁護士が身につけるべきコミュニケーションのヒントを数多く解説しています。
経営者に、前に進む力を。
弁護士 波戸岡光太
東京都港区赤坂3-9-18赤坂見附KITAYAMAビル3階
TEL 03-5570-5671 FAX 03-5570-5674