交渉現場の心理学-今は決めないと決める、寝かせてみる、相手の話を遮らない

◎今は決めない、ということを決める

どうすればいいんだ。合意するのかしないのか、条件をのむのかのまないのか、、、
なかなか決められなくて悩むことはよくあることです。そんな優柔不断な自分を嫌悪することもあるかもしれません。
けれど、交渉では「決断しなければならない」というルールがあるわけではありません。
というより、「今は決めないことを決める」ということも立派な決断です。
選択肢は多い方がいい。決められないからといって苦しんだり自分を責めることはありません。

◎服装は大事

相手のことや交渉のことを考えていると、脳みそばっかり使いがちになります。
着る服装なんてどうでもいい。むしろ、なりふり構わず必死なモードになっている自分が好きだったりして、、、
けれど、人に与える影響力は、視覚が55%、聴覚が38%、内容が7%と言います(メラビアンの法則)。
どんなにまっとうなことを話していても、相手に見えてるのはあなたの表情だけではありません。
着ているスーツやシャツがくたくただったりしたら、伝わるエネルギーも半減します。
もちろん、華美な格好やマウントをとるためのファッションを勧めているわけではありません。
いいオーラを出してくれるような、発する言葉に信頼感を与えてくれるような、そんな着こなしを身につけたいです。

◎寝かせてみるのも悪くない

その時は煮詰まったように感じても、逆に、その時はベストアイディアだと感じても、一晩寝かせてみるのはお勧めです。
一晩寝かせたカレーは美味しいと言いますが(本当かしら(笑))、
アイディアや考えを一晩寝かせるといい効果があるというのは、心理学上も実証されています。
早く寝て早く起きる、というリズムのなかで交渉学をとらえてみてはいかがでしょうか。

◎不機嫌な感情のときには、メールを送らない

PCの画面をにらんで、くっそーといいながら、怒りのエンターキー(メール送信ボタン)を押した経験はありませんか。
頭に血が上り、息が浅くなった状態では、人は正しい判断はできません。
怒りのメッセージをぶつけても、相手がその内容を真摯に受け止めることは少なく、むしろ「あの人、怒ってんなー」と“怒ってる人認定”されるだけです。
ですので、そんなときは、「あ、今、自分は怒ってるなー」と自分を俯瞰(ふかん)、つまり上から眺めてみてください。
怒りはやかんの沸騰みたいなものですので、それがやがて冷めたら、ゆったり呼吸をして、優しくエンターキーを押してみてください。

◎相手の話を遮らない

相手がおかしなことを言っているときほど、「いや、だから、、、」とか「あの、いいですか」と遮ってしまうものです。
けれど、人は根源的に「自分の話を聞いてほしい」という欲求を持っています。
そして、自分の話を聞いてくれたのなら、次は自分も相手の話を聞こうと思うようになります(返報性の原則)。
ですので、内容のよしあしはともかく、まずは相手の話を最後まで聞いてあげてください(傾聴)。
そのうえで、「では私が話していいですか」と了解を取ってから話を始めるようにしましょう。
了解をとることで、相手も「聞くモード」になり、最後まであなたの話を聞いてくれます。

ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
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私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。

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また、社外監査役として企業の健全な運営を支援していきたく取り組んでいます。
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波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ

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