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企業のコンプライアンス問題を社会心理学の観点から解説します
目次
コンプライアンスとは?
近年盛んに聞かれる「コンプライアンス」。
コンプライアンスとは狭義には法令順守のことを指し、企業が法律や条例等を守ることを言います。
また、広義には社会的な良識、規範、倫理を守ることを指し、たとえ法令違反を犯していなくても、良識や倫理に反する企業活動は社会的に許されなくなってきています。
その意味で、私たちはコンプライアンスを広義にとらえ、これを遵守していく必要があります。
コンプライアンス違反をしてしまう理由
コンプライアンスが重視されているにも関わらず、会社単位、あるいは従業員単位のコンプライアンス違反は後を絶ちません。
ここではコンプライアンス違反をしてしまう理由を、社会心理学の観点からアプローチしてみます。
社会心理学とは、個人が集団や社会からどのような影響を受けるのかを検討したり、集団や社会といった複数の人間の心理を研究する学問です。
“身内に甘い”という「内集団バイアス」がはたらく
人は内集団(自分が所属する集団)には愛着を持ち、外集団(それ以外の集団)には敵対心を持つという傾向があります。
これは、会社に限らず、学校、クラス、地域、国などいろいろなレベルで起きる心理状態で、「うちの会社は問題ないはず」とか「分かってない部外者がとやかく言うな」と、物事を自分にとって都合よく見たり考えたりする心理状態を生み出します。
この認識が、気付かぬうちにコンプライアンス違反を引き起こす一要因になります。
「空気」が“同調圧力”を生み出す
よく「空気を読め」とか「発言してはいけない空気を感じた」と言うことがあります。
空気そのものは良くも悪くもなく、それを感じるか感じないかには個人差もあります。
しかし、その空気が「おかしなこと言い出すな」とか「青臭い正義感を振りかざすな」という同調圧力・集団圧力につながってしまうと、大きな問題を生じさせてしまいます。
“赤信号みんなで渡れば怖くない”という「集団的浅慮」が起きる
誰もが聞いたことのある“赤信号みんなで渡れば怖くない”に象徴される「集団的浅慮」がコンプライアンス違反を生むこともあります。
これは、人は個人だと正しい判断ができることなのに、集団になると間違った判断をすることがあることを指します。
ニュースで他人事として見ていると、「なんであんな馬鹿なことをしてるんだ」とか「ひどい不正を働く会社だ」と言えることでも、自分が組織の中にいると、それもやむを得ないんだという力が働いてしまうことがしばしばあるのです。
“追いつめられると何でもする”心理がはたらく
人は追い詰められるとなりふり構わない行動にでがちです。しかし追い詰められて何でもする(=コンプライアンス違反をする)までには、いくつかの前段階があり、途中で軌道修正できるチャンスは何回もあると言われています。
具体的には、「状況が悪化しうるサインがある」のにこれを先延ばししていたり、「問題の発生が明らかになってきた」ときに、力以上のリスクを冒して取り返そうとしていたりしています。
これらを見逃したり失敗した挙句に、「問題が深刻化してしまった」という事態になり、「解決のためなら何でもやる」と冷静さを失って、倫理に反することをしてしまいがちです。
弁護士の視点を入れることが重要
以上、コンプライアンス違反が起きてしまう原因を社会心理学の観点からいくつか紹介してきました。
コンプライアンス問題は明確な線引きがしづらかったり、行動を起こすことが難しい問題でもあります。
そして、コンプライアンス問題が発生した際には、自分たちだけの視点でものを見がちになることがありますが、それでは最適な解決方法を導き出すことができません。
企業内でコンプライアンス問題が発生した際には、外部の視点を取り入れることで組織の異常性や改善点に気付かされることもあります。
そのような意味で、コンプライアンス問題に関しては、組織へのコンプライアンス意識の定着に長けた専門知識を持つ第三者の視点を取り入れることをおすすめします。
私、波戸岡は企業へ向けたコンプライアンスセミナーを日頃実施しており、企業のコンプライアンス問題に関して実践的な知見を日々蓄積しています。自社のコンプライアンス問題でお悩みの経営者様は、いつでもお気軽にご相談ください。
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波戸岡 光太 (はとおか こうた)
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