弁護士の仕事・その14「感情をコントロールする力」

弁護士の仕事

弁護士を突き動かすのは感情です。
「そんな理不尽なことがまかり通ってはいけない!」
「これは何とかしないとまずい!」
という、「怒り」「憤り」の感情であることが(私の場合)ほとんどです。

感情があるから理屈を探し、情報を探し、一気に書面を書き上げる、そんな順番です。
「この依頼者を何とかしたい」という揺るがない気持ちが弁護士を動かします。

けれど、感情に任せて顔も頭も熱くなってはだめです。
それではただの怒っている人です。
怒っているだけでは伝わりません。
怒っている人が依頼者のほかに一人増えるだけです。

その感情を原動力としたならば、それでどうやって現実を変えていくのか、どうやって現実を動かす説得力を生み出すのか、そこに知恵をふりしぼらなければなりません。

自分の中に「怒」が沸き上がってきたぞと認識したら、
今一度フラットな気持ちで依頼者の話を聴き、ヒントとなる情報を探し、法律や判例を探し、理屈を組み立て、一読了解の文章(一度読んだだけで意味が伝わる文章)を仕上げていきます。

その作業を丁寧にしていき、事実と証拠を理路整然と並べる文章やプレゼンができれば、読み手や聞き手、つまり裁判官や相手方の心に「何とかしてあげたい!」という思いが自然と沸き上がり、それが現実を変えていきます。

この、感情が理屈を生み出し、情と理を絶妙なバランスで表現し伝え、相手を動かすことこそ、この仕事の醍醐味だと思っています。

このように、弁護士は(私は!)、感情を上手にコントロールして、情と理を組み合わせて、現実を変えていかなければならないんだ、というお話でした。
つづく(^^)

ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。

経営者は日々様々な課題に直面し、意思決定を迫られます。
そんな時、気軽に話せる相手はいらっしゃいますか。

私は法律トラブルに限らず、経営で直面するあらゆる悩みを「波戸岡さん、ちょっと聞いてよ」とご相談いただける顧問弁護士であれるよう日々精進しています。
また、社外監査役として企業の健全な運営を支援していきたく取り組んでいます。
管理職や社員向けの企業研修も数多く実施しています。

経営者に伴走し、「本音で話せる」存在でありたい。
そんな弁護士を必要と感じていらっしゃいましたら、是非一度お話ししましょう。

ご相談中の様子

波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ

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