対話に活かす!コーチング(vol.3)

コーチング

◎「現状をどうとらえていますか?」

現状の「認識」を知る質問です。

「現状はどうですか?」と、ただ現状を尋ねるだけの質問だと、相手の回答がそのまま真実である前提で対話が進んでいくことになります。
けれど、相手の言葉は、あくまで相手が「認識している事実」であり、「そのように現実をとらえている」という見方であることが多いです。
ですので聞き手としても、「どうとらえているのか」という聞き方をして、ご本人が見ている世界、ご本人がとらえている認識を共有するようにしましょう。
例えば「全然できていないです」という回答に対して、「できていないんだ~」と受け止めるのではなく、「できていないと感じているのですね」という受け止め方をしたいです。

◎「今はどこまでうまくいっていますか?」

ポジティブな姿勢になってもらう質問です。

現状を聞くと、多くの場合、「まだまだです」というネガティブな答えが返ってくることが多いです。
たしかに課題を見つけるという点ではそれもありかもしれませんが、それによって対話自体がテンション低めになってしまうとすれば、なんだか寂しいです。
対話を終えたときに、ポジティブな行動力を得ている状態でありたいですから、課題を尋ねるときも、ポジティブな問い方をしたいです。
「10点満点中何点ですか」という問いに対して、「6点位かな」という回答があった時に、
「何が足りないのですか」と尋ねるより、「どういうところができているので、その点数なのですか」と尋ねてみることで、ポジティブな対話の始まりが予感されます。

◎「その思いは相手に伝わっていますか?」

視点を変えてみる質問です。

日ごろからいろいろ考えたり思考を巡らせている人に、ふと、「それってみんなに伝わっているんですか?」と聞いてみると、
意外と「あ、そういえば、自分の中で思っていただけかも。。」という気付きが起こることが多いです。
当然分かっているよね、とか、伝わっているよねと思っていたことが、ちょっとした問いかけで、伝わってなかったんだと気づくことは多いものです。
ちょっとした問いかけですけど、大きく視野が広がることがあるのが、質問力の醍醐味です。

◎「あなたの中で何が起きているのですか?」

自分と対話してもらう質問です。

「自分は…」とか「あの人は…」などと、私たちは普段、人を主語にして会話をしたり思考を巡らすことが多いです。
けれど、「あなたの中で何が起きているの?」とか、「何がそうさせているの?」などと、モノやコトを主語にして問いかけたり考えたりしてみると、
人に対する‟とらわれ”からいったん離れられるので、客観的に物事を考えたり見つめたりできることが多いです。
内省しつつ、客観視できるというパワーがあるなと思う質問です。

◎「あなたにはどんな成長が必要なのでしょう。」

自分事とする質問です。

課題を解決したいと考えるとき、「あの人がこうしてくれれば」とか「制度が変われば」という思考に向かうことが多いです。
けれど、それだと結局、他人任せで対話が終わってしまい、対話者自身の成長や行動につながりません。
自分が変わることで、周囲への影響力を変えていく、というのが対話の醍醐味であるので、その機能を発揮するためにも、「あなたには何が必要?」という問いかけをしたいです。

ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
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私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。

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波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ

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