M&A(会社売却)前に不安になった経営者の皆さんへ。 焦りは禁物!その心配、ぜひお聞かせください

波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ

中小企業をもりたてるパートナーとして、企業理念や経営者の想い、事業を理解した上で法的アドバイス、対外交渉、リーガルチェックを行うことをポリシーとしております。
これまでの法律相談は1000件以上。
ビジネスコーチングスキルを取り入れ、顧問先企業の経営課題・悩みをヒアリングし解消するトリガーミーティングも毎月行っています。

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M&A(会社売却)の話を進めている中小企業の経営者の中には、仲介会社にはなかなか話せないような相談をしたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、会社売却前の不安にフォーカスします。私が実際にお伝えしているアドバイスも含め、M&Aをめぐる経営者の心配事について解説します。

1 会社売却の機会は突然訪れる!?

近年、M&A(会社売却)についてのご相談件数が増えています。ご相談頂く経営者に会社売却を考え始めたきっかけを伺うと、仲介会社からの営業電話がきっかけであることが多いようです。実際、“スモールM&A” 、“小規模M&A”は日本でも一般的になってきています。
そんな仲介会社からの連絡をきっかけとして、経営者の多くは、次の人生への新たなステップ(新しい事業)へと舵を切る決意をするようです。
それでは、なぜ私のところに多く相談が寄せられているかというと、実際にM&Aに向けて具体的な話が一気に加速し始めると、突如さまざまな不安に襲われることが多いからです。

2 会社売却を進める経営者の心配事

M&Aを考えている経営者の方々は一体どんなタイミングで弁護士に相談しているのでしょうか。
実際にあった相談例をもとに、M&Aでの主な心配事の例をご紹介します。

◎心配事1:会社の情報をどこまで開示するべきか

「この情報は話しても問題ないのだろうか」
「懸念点を開示するべきなのだろうか」
そんな不安を抱くのは当然のことです。

分かりやすくするために、家を売却する場合にたとえてみましょう。
「この家は振動が大きいです」「水漏れがあります」など、伝えなければいけない明らかな瑕疵についてはもちろん相手に伝えますが、よく見ないとわからない細かいヒビとかシミのことまでいちいち言わなければいけないのでしょうか…。
こういった、言ったら価値が下がるかもしれない情報は、できることなら言いたくないというのが心情です。

M&Aも似た側面があります。
会社経営は目に見えない側面が多いので、「これは言うべきなのか…?」と悩むシーンは多く訪れます。
売却額は下げたくないものの、言わないことによって表面保証条項違反になったりしないかなど、後々のトラブルにつながるのは避けたいです。そのため、「どこまで言うべきかのジャッジをしてほしい」という相談内容が多いです。

◎心配事2:従業員が辞めていかないか

M&Aが決定したときに、従業員が離れていくのではないかという心配があります。
従業員が退職してしまった結果、会社売却の話が流れてしまうことを懸念される経営者の方も多くいらっしゃいます。

M&Aの対価となる代金は、一括で支払われる場合と、前金・後金とが分割して支払われる場合とがあります。従業員が辞めていってしまうことで、支払い済みのお金を返すよう要求されないか、あるいは後金の支払を拒否されないかといったことが、経営者の頭をよぎったりします。

◎心配事3: M&A後の会社への関わり方はどうなるか

M&Aの後は、社長自身が数カ月間会社に残って引き継ぎをするケースが多いです。

しかし、
・どの程度の業務をすることになるのか
・その間の対価はもらえるのか
・無報酬の場合、期間に制限はあるのか
・引継ぎが終わらなかったらどうなるのか

こういったM&A後の心配事も尽きないといえます。

3 本当に納得できていますか?会社売却前に考えておくべきこと

M&Aに関する心配事をご紹介しましたが、納得いくM&Aを実現するために、今一度考えておいてほしいことがあります。

◎タイミングはあなたが決めていい

会社売却は、これまで我が子のように育ててきた自分の会社を手放すこと。
「週明けまでに決めてくださいと言われたのですが、どうすればよいですか」など、期限についてのご相談を頂くこともありますが、私からは「あなたが納得するタイミングで決めて構いません」とアドバイスすることが多いです。

仲介業者によっては、売却させることをゴールにしてしまい、時に経営者を急かすように見受けられることもありますが、本来は売るも売らないも自分のタイミングで決めるべきです。
会社の売却は人生を左右する大きな決断です。誰かに急かされてするものではありません。

◎買い手の需要を把握する

M&Aでは、買い手が何を気にしているのか、会社のどこに魅力を感じているのかをしっかり把握することが大切です。たとえば、もし買い手が御社のノウハウや顧客に魅力を感じているならば、従業員が離れるかもしれないという点は、(あなたの心配事にも関わらず)問題にならない可能性があります。
ですので、買い手が御社の会社のどの部分に興味を持っていて、何をM&Aのリスクと感じているのかを、面談時に率直に尋ねることをおすすめします。

4 M&Aにおける弁護士の関わり方

M&Aを進める上で、経営者が最初に相談するのは、多くの場合仲介会社でしょう。仲介会社の多くはM&Aのプロフェッショナルですので、売却に関する様々な相談をすることができます。
ただ、時として経営者の方は「この相談は仲介会社にしていいのだろうか」と迷ってしまうことがあります。

それはなぜか。

仲介会社はこちら(売り手)だけではなく、相手(買い手)も依頼者として、やり取りをしているからです。
自分の味方でもありますが、同時に相手の味方でもあるため「こんな相談をしたら状況が不利に働くのではないか」と疑心暗鬼に陥ってしまうことがあるのです。

全く迷いや不安がなく株式や事業を売却できるケースはむしろ稀で、進展するにつれていろいろな疑問や懸念が発生してきます。
売却金額に始まり、従業員のこと、取引先のこと、売却後の自分の関わり方など…
仲介会社に聞きづらいからといって、懸念を見ないふりをしてM&Aを進めることはおすすめできません。
どこで相手側との認識のずれが生じるか、どんなリスクがいつ顕在するか分からないため、小さな懸念でも潰しておくことがM&A後のスムーズな移行に繋がりますし、ひいては会社や事業に残る社員のためにもなるのです。

そのためにも、M&Aに関する懸念や不安の相談相手として弁護士がいると私は考えています。
仲介会社には聞きづらいことも、完全なるあなたの味方としてご相談に乗りますし、譲渡契約内容をチェックして不利な内容になっていないかを確認することができます。
また、仲介会社に伝えづらい内容については、どのように伝えたら相手の印象が良くなるかを専門家の立場からアドバイスすることも可能です。
とくに初めてM&Aを行う方は、仲介会社とは別に‟完全に味方の立場でアドバイスをしてくれる専門家”に相談しながら進めることで、精神的な負担も軽減され、後から後悔することも少なくなります。

5 波戸岡のM&Aサポート内容

私、波戸岡が行っているM&Aのサポート内容をご紹介します。

◎サポート内容1:お聞きした心配事を整理整頓します

漠然とした不安を抱えている方が多いので、心配事を全て伺い、それぞれについて「対応すべきなのか」「考えなくていいか」などを分類します。
対応しなければいけないことには優先度をつけて整理しますので、それによって次に行動すべきことが見えてき、思考も動きもかなりスムーズになり、精神的な安心感にもつながります。

◎サポート内容2: 契約書に経営者の意向が記されているのかをチェックします

仲介業者が作成する契約書に、経営者の意向がきちんと反映されているのかをチェックし、もし不足がある場合は契約書の修正を行います。ここでも相手に気を遣い過ぎることなく、まずはご意向を自由にお話しいただくようにしています。

◎サポート内容3:従業員への伝え方をアドバイスします

従業員にM&Aの件をお話しする前に、伝えるべきことを予め整理してアドバイスしています。
M&Aを進める過程の中で最も緊張するのは、従業員への告知の瞬間だという経営者は多くいらっしゃいます。現場や皆さんの雇用や仕事内容には何ら変化がないことを伝えるようにとアドバイスすることが多いです。

6 M&Aのご相談事例

◎介護会社の売却
〔心配事〕
・介護現場のスタッフが動揺するのではないか
・最初の提示額と売却額に大きな差があった…
→もし違和感があるなら、無理して売却を決めないほうが良いとアドバイスさせていただき、一度白紙に戻しました。そして半年後、別の仲介業者と、より良い条件でM&Aが成立しました。

◎広告会社の売却
〔心配事〕
・帳簿のミスがあった場合、後々問題になるか
・過去勤めていた社員から訴えがあったら問題になるか
→従業員や経営状況ではなく、先方はノウハウとコンテンツに魅力を感じられていたので、結果的にそこまで心配しなくてもよいことがわかりました。

◎アニメーション制作会社の売却
〔心配事〕
・「明日までに結論を」と言われているか急がないとダメなのか
・役員間がうまくいっていない情報共有をどうするべきか
→事業売却はそもそも自分のペースで進めるべきだというアドバイスをしました。社長が1人で売り逃げるようで悩まれていましたが、法律上は問題なく、後ろめたいことは何もないという点もお話し、最終的にM&Aの決意をされました。

7 “M&Aにおける懸念事項はケースによって変わる”ことを理解する

M&Aを進めていくと、「自社のこの部分は相手の心象を悪くするのではないか」という心配が出てきます。
ですが、前述した広告会社のケースのように、相手が買収する上で魅力に感じているポイントが何かによって、問題視する項目は変わってきます。
つまり、懸念事項かそうではないかを決めるのは買い手側だとも言えるのです。
そのためには、買い手側が企業の構成要素である「ヒト・モノ・カネ」のどこに価値を置いているのかを把握する必要があります。
そのうえで、ヒト(社員の経験・技術など)、モノ(商品・サービス・保有するデータなど)、カネ(特定の取引先、顧客数など)の中で相手方側が価値を感じている部分については、懸念事項は伝えておくべきですし、情報は開示すべきでしょう。
そして、弁護士の関わり方のセクションでもお伝えしましたが、相手の心象を加味した懸念事項の伝え方について、アドバイスをさせて頂きます。

8 料金についてのご案内

顧問契約、契約書チェックサービスの他、“解決するまで”月額3~5万円の定額でご相談にいただける定額相談サービスもあります。
納得のいくM&Aを進めたい。そんな経営者様にご負担にならないプランとなっていますので、ぜひご検討ください。
サービス・費用

まとめ

「M&Aは急ぎすぎない!」というスタンスが基本です。

会社を売るも売らないも、決めるのはあなた。経営者ご自身に決定権があります。「ご縁」というのもあながち軽視できず、今回は売らないと決めても、また次の話がやってくることもあります。誰かに言われるがまま話を進めるのではなく、あくまでもご自身のペースで進めてほしいです。

そのM&Aに納得しているか。
将来、あの買い手に売ってよかったと心底思えるか。

ぜひ今一度考えながら進めていきましょう。
周りに言えないM&Aの課題解決に、ぜひ一度ご連絡ください。
(2022.3.27更新)

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