「顧問弁護士に相談してもなぁ…」ではもったいない。相談しやすい顧問弁護士とは?

もしもの時のため、法的な相談をする相手として、多くの会社に顧問弁護士がいます。ですが、「なんとなく相談しづらい」「相談してもなぁ」、などと、相談をためらってしまうことはありませんか? それは、顧問弁護士が経営者のニーズに合っていないのかもしれません。

本来、顧問弁護士は顧問会社の事情や経営者の課題感を共有し、経営者の良き相談相手となるべき存在です。
なのに、なぜ弁護士に「相談しても仕方ない」と感じるのでしょうか?
その理由は、大きく3つあると私は思っています。皆さまにも思い当たることがあるでしょうか。

理由1:「法的にはそうなんだけど…」イマイチ、アドバイスがしっくりこない

「確かに法的に見たらそうなんだろうけど、欲しかった回答とは違う…」そう感じたことはありませんか?
例えば、経営者が自社の顧問弁護士に
「AとBのアクションは法的には問題になりますか」と質問した際、
「どちらも法的な観点からは問題ないですよ」と返ってきたとします。

この場合、顧問弁護士は質問には最低限応えているものの、“問題がない”ことについて何がどう問題ないのか、あるいはどちらの方が問題ないのか、どちらかが良いとしたらどちらなのかなど具体的な言及はないので、経営者としてはもやもやが残ってしまいます。
経営者は法的に問題がないことを確認したうえで、より良い選択をしたいと思い相談しているのに、通り一遍の回答ではその判断はしづらく、このようなことが続くと「相談しても無駄なのでは…」と思ってしまいますよね。

理由2:専門外の相談には乗ってもらえない

弁護士といえども、全ての分野に精通しているわけではありません。ですが、少なくとも顧問先の業種・職種については、その都度、調べながら自分の知識をアップデートしていく必要があると私は思っています。時には、顧問先に「教えてください」と率直に伝え教えを乞うことも必要です。自分の知らない世界を知ること自体が、新鮮な発見であり、自己の成長を促してくれていると感じます。

しかし、ときとして「なんでも知っていて当然」というイメージの呪縛や弁護士としてのプライド(?)から、顧客に対して「教えてください」と言いだせない弁護士もいます。また、自信を持って答えられないため、専門外の相談については、すぐにお断りしてくることもあります。
そうなると、「専門外のことは相談に乗ってもらえない…」と顧問弁護士に相談することを諦めてしまうことにつながります。

理由3:経営に関する相談にタッチしてくれない

顧問弁護士は経営者に対して法的アドバイスはするものの、経営判断に踏み込む内容には触れないというスタンスをとることも珍しくありません。
一方、経営者は日頃から漠然とした不安を抱えているもので、それは法的なこと、ビジネスのこと、プライベートのことなど明確に線引きができないことも多いものです。

ところが、顧問弁護士がはっきりと線引きをするスタンスをとってしまうと、どうでしょうか。「それは私の範疇ではありません」「私に相談されてもお答えできません」などと言われてしまっては、「相談しなければよかった」ということになりかねません。相談する前に、予め相談してよい内容なのかどうかを自問自答し、取捨選択をしなくてはならないようだと、経営者は、顧問弁護士に相談してみようとは思いにくくなってしまいます。

良き相談相手となるべき顧問弁護士

顧問弁護士は経営者仲間ではなく、まして社内の役員でもありません。しかし、このように、第三者でありながらも会社の事情に精通している存在としての顧問弁護士こそが、最適な相談相手になれるのではないかと、私は常々思っています。
そのような弁護士を目指して、私はコーチングの資格を取り、顧問先の経営者が気軽に壁打ちしたり、法律から少し離れた内容でも相談しやすい存在になれるよう努力しています。日々そうした心掛けと取り組みを意識することで、経営者が相談しづらいと感じる顧問弁護士にならないように努めています。

経営者は実にさまざまなことで悩んでいます。それは法律に限ったことではないかもしれませんが、その問題を解決することが、会社の存続や事業拡大につながります。ですから、経営者の皆さんは「相談しづらい」と感じることなく、顧問弁護士に相談してほしいです。
もちろん、弁護士にはいろいろなスタンスの方がいるので、ご自身に合った弁護士を選ぶことが重要です。
では、どのような弁護士だったら、もっと気軽に相談できるのでしょうか。

Point1:経営者(依頼者)の真の課題を見極められる

弁護士は法的な立場からアドバイスする役割を担っていますが、それだけでは経営者が本当に知りたいことにたどり着けない場合があります。ですから、経営者が何も求めているのか、もう一歩踏み込んだ対応をしてもらえる弁護士が良いでしょう。
経営者の中には漠然とした悩みを抱える方も少なくありません。また、顕在化している悩みが氷山の一角であることもあります。そのような場合、顧問弁護士としては、経営者から相談された以外のところで抱えている不安を浮き彫りにする努力が必要となります。

前述した「AとBのアクションは法的に問題ないか」という相談では、相談内容自体は表層的なものにすぎず、その背景には様々な問題が潜んでいます。経営者が知りたいことは、このアクションが法的にどうかいうことはもとより、なぜそのようなアクションを起こすのか、それによって今後どのような問題が起こり得るのか、さらにはAとBの関係をどのようなものにしていきたいのかなど、法的な問題以外の問題も多く含んでいます。

私は顧問弁護士として、経営者が抱える課題に対して、法的なアドバイスや具体的な行動を助言するだけでなく、双方の関係の質を上げるためにも、もっと幅広く経営者の悩みに寄り添い、包括的な解決を目指していきたいと思って取り組んでいます。

Point2:経営者(依頼者)と一緒に答えを見つける

私は、言語化できない不安を言語化して経営者に安心してもらうことも、弁護士の役目だと考えます。もし、経営者が不安を抱えているように見受けられたら、顧問弁護士として質問を投げかけ、経営者一人では辿り着きづらい指標に一緒に辿り着くマインドを持つことが必要です。
経営者に寄り添える弁護士なら、一方的に答えを出すだけでなく、一緒に納得のいく答えを見つけられるのではないでしょうか。

Point3:思考を整理するための壁打ちができる

人が悩むとき、その答えは実は自分の中にあるものです。ただ、自分一人ではその答えにたどり着けなかったり、気づけていなかったりするため、悩んでしまうのです。
経営者の尽きることない悩みを聞き、思考を整理するための壁打ちができれば、自ずと答えは見つかるものです。そして、そのような壁打ちができる相手こそが顧問弁護士だと思っています。

自分の考えを押し付けるのではなく、効果的な質問を投げかけ、質問に答えているうちに経営者自身が自身の悩みの原因や本当にやるべきことが見えてくる。そんなコーチングスキルを持った弁護士なら、経営者は悩みから解放され、より自身のビジネスに邁進できるのではないでしょうか。

経営者自身が答えをつかむためのコーチング

私は顧問先の経営者が気軽に壁打ちをしたり、法律から少し離れた相談もしやすい存在相手になれるよう、本格的にコーチングの技術を学びました。
コーチングとは経営者自身が自らの力で答えをつかむためのサポートをすること、私はそう思っています。
経営者はさまざまなことについて判断し、結論を出さなくてはなりません。たとえ誰かに相談したとしても、最後に結論を出すのは自分自身です。

例えば、会社が拡大路線を行こうとしていくタイミングで、経営者は「このまま進んで大丈夫かな」という不安を抱えることも多くあります。そのような時に顧問弁護士に相談をすると、「法的には問題ありません」と返ってくる場合がありますが、経営者としてはこの回答だけでは物足りません。なぜなら、経営者は法的な安全性だけを気にしている訳ではなく、事業がうまくいくかどうかを含めて「このまま進んで大丈夫かな」と総合的な不安を抱えているからです。

ですので、顧問弁護士としては、どのような背景で拡大することになったのか、拡大するうえでの懸念点は何から来ているのか、社内の反応はどうなのかなど、経営者から相談された以外のところに抱えている不安を浮き彫りにする努力が必要となります。
コーチングでは経営者にいろいろな質問をし、背景や悩みの本質を見極めつつ、できるだけ具体的なイメージを掘り起こして、実現したい未来を浮かび上がらせます。

例えば、
「あなたの尊敬している経営者だったら、今の局面でどういう判断をすると思いますか?」
「日々やろうとしているけど、後回しにして手を付けていないことは? 」
「通常業務の中で、本当は自分がやらなくていいものは何ですか? 」

このような質問に答えているうちに、だんだんと自分の悩みの原因が見えてきて、今本当にやるべきことが見え始めてくるのです。
毎月たった10分でも、このような対話をすることで、頭の中が整理され、経営者自らが自らの力で答えにたどり着いています。

経営者の皆さまは、日々、さまざまなことに悩んだり、決断に迫られたりしています。せっかく身近なところに「顧問弁護士」という最適な相談相手がいるのに、相談を躊躇してしまうのはもったいないことです。
ぜひ、漠然とした不安を抱えている経営者の方はお気軽にご相談ください。コーチングを通して、答えを見つけるお手伝いをさせていただきます。

ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
少しだけ自己紹介にお付き合いください。
私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。

経営者は日々様々な課題に直面し、意思決定を迫られます。
そんな時、気軽に話せる相手はいらっしゃいますか。

私は法律トラブルに限らず、経営で直面するあらゆる悩みを「波戸岡さん、ちょっと聞いてよ」とご相談いただける顧問弁護士であれるよう日々精進しています。

経営者に伴走し、「本音で話せる」存在でありたい。
そんな弁護士を必要と感じていらっしゃいましたら、是非一度お話ししましょう。

ご相談中の様子

波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ

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弁護士 波戸岡光太
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