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ビジネスの本質をつかんだリーガルチェックが、事業の成功可能性を左右する

波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ
中小企業をもりたてるパートナーとして、企業理念や経営者の想い、事業を理解した上で法的アドバイス、対外交渉、リーガルチェックを行うことをポリシーとしております。これまでの法律相談は1000件以上。ビジネスコーチングスキルを取り入れ、顧問先企業の経営課題・悩みをヒアリングし解消するトリガーミーティングも毎月行っています。
企業と弁護士との関わりで、最も頻度の高いもののひとつに、「契約書リーガルチェック」があります。
「この契約書、リーガルチェックにまわしといて」といったセリフは、経営に携わる方ならよく耳にすることと思います。
ここで一つ質問です。
「リーガルチェックは、そもそも何のために行うものでしょうか?」
「契約内容に不備がないかどうかチェックするため?」
たしかにそのとおりです。
では、「不備」とは一体何を指すのでしょうか。そこが重要ポイントです。
法的な文言さえ合っていれば、不備ではないのでしょうか。
これは笑い話ですが、「リーガルチェックを法律事務所にお願いしたら、書類の誤字脱字だけ修正されて返ってきたので拍子抜けした」というお話を、経営者の方から伺いました。
私の考える「不備」のある契約書とは、「経営者の『想い』と『やりたいこと』を実現できない契約書」です。
今回の記事では、リーガルチェックで見逃してはいけない『不備』を解消するために、波戸岡が取り組んでいることを整理して書いてみました。
契約書で大切な3つのポイント。リーガルチェックで波戸岡がチェックすること
「契約書を作る」とか「契約書のリーガルチェック」という言葉を聞くと「法律のことは分からないんだよね。。」と思考が停止してしまう方が少なくありません。
ですが、契約書の役割と構造はわりとシンプルです。
契約書について最低限考えるべきことは、次の3点です。
1、自社が提供するサービスや商品について、どんなことをお客さまに約束できるのか
まさに取引の本体そのものであって、会社が提供するものを明らかにしていきます。
商品の品質や数量、サービスの内容や回数などがこれに当たります。
これを明確に定めることで、自社のやるべき義務の範囲が明らかになります。
逆にいうと、明記しない事項はお客様に約束できない(しない)事項でもあり、これにより自社の責任範囲が明確となります。
2、自社が提供するサービスや商品について、どんなことを相手に約束してほしいのか
サービスや商品の提供にあたって、相手の協力が必要な事柄がある場合には、そのことも明記する必要があります。
商品の取り扱い方や、サービスを受けるために必要な情報提供、そのほか複製品の作成禁止などがこれに当たります。
3、サービスや商品の対価を明らかにする
サービスや商品の対価を明らかにすると同時に、決済方法や支払日も設定します。
対価が定額ではなく、例えば売上や利益の◎%といった場合は、明確な算出式も記載しておくべきです。
以上の3点が必須であることは、業務委託契約でも、コンサルティング契約でも、代理店契約でも共通しています。
逆にいうと、この3点が明らかになっていなければ、契約書としての体をなしておらず、リーガルチェックだけしようとしても効果的ではありません。
より自社にマッチした契約書にするために必要なこと
このように、契約書の骨格はシンプルですが、契約書の作成は丁寧に行う必要があります。
一番避けたいなのは、ネットに掲載されている契約書の雛形をそのまま流用してしまうことです。
つくりこまれた雛形であれば、法律的な文言こそ間違っていないかもしれませんが、それは形だけのことです。先ほどお話しした誤字脱字のチェックと変わりません。
契約書作成で大切なことは、先の3つポイントに込められた「あなたの会社の想い」をしっかり書面に反映させることです。
あなたの会社が大事にしたいことや、これは譲れないといったものが反映されず、自社を守ることのできない契約書は、ただ法律用語が並べられた紙にすぎません。
ビジネスのヒアリングで、リーガルチェックの不備をふせぐ
「あなたの会社の想い」が置き去りになった契約書にならないように、私が特に気をつけていることは、リーガルチェック前のビジネスヒアリングです。
正確なヒアリングを行うために、ビジネスコーチングの資格も有しているのはそのためでもあります。
・何のためにその事業を開始したのか。
・気づいていないリスクは本当にないか。
・新たな事業を始めたい期待一心に、必要なリスクヘッジを怠ってないか。
そういったことを注意深く観察しながら、ヒアリングを行っていきます。
じっくりお話をうかがうと、当初に考えていたのとは違う面が浮き彫りになったり、本当に大事にしていらっしゃる想いが思わぬところから出てきたりもします。
そんななか、少しでもリスクを感じた場合、そのリスクをどう位置付け、どう扱うかに神経を巡らせます。
常に挑戦し続けるのが、中小企業です。
時には、大きなリスクを冒してでも挑戦する必要もあるでしょう。
時には、小さなリスクでも踏みとどまるときもあるでしょう。
「リスクに気づいた上で活動すること」と「リスクに気づかないまま事業を行うこと」の間には、天と地ほどの差があります。
リーガルチェックでは、リスクをどうマネジメントするかが問われています。
経営者の方には、「すぐ後ろには波戸岡がついているので、思いきりやりたいことに挑戦していただきたい」というのが、弁護士をする上での私の「想い」でありミッションです。
そのためには、経営者の方が実現したいビジネスの本質を理解した上で、リーガルチェックに望むことが大切です。
中小企業の顧問弁護士業務の中で、最もポピュラーでやりとりが多いのが、契約書リーガルチェックです。
頻度が多いからこそ、さらっと書面の確認で済ませてしまいがちな作業になりですが、強い企業を作っていくためには、しっかりとしたリーガルチェックが欠かせません。
一緒に戦える弁護士さんはあなたの会社にいますか(^^)
リーガルチェックはもとより、あなたの会社に必要な防御をしっかり固める、顧問弁護士としてのアドバイスも行っています。
お力添えできることがありましたら、ぜひご連絡ください。
経営者に、前に進む力を。
弁護士 波戸岡光太
東京都港区赤坂3-9-18赤坂見附KITAYAMAビル3階
TEL 03-5570-5671 FAX 03-5570-5674