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SEOサービス契約書のリーガルチェックポイント
自社のホームページやウェブサイトの検索順位(GoogleやYahoo!などでの検索結果の表示順位)が上がるように対策することをSEO対策といい、これを外注する契約をSEOサービス契約といいます。
※SEO…Search Engine Optimization。検索エンジン最適化。
多くの企業にとって、自社のホームページやウェブサイトが検索順位で上位表示されることは、売上や問合せに直結する重要課題です。
けれど自力での対策には限界があったり、より効果を高めるために、SEOサービスを行う会社に委託することが多く行われています。
そこで今回は、SEOサービス契約書についてのリーガルチェックポイントを解説します。
(以下では、SEOサービスやSEOコンサルティングサービスを行う会社を「SEO会社」といいます。)
1 SEO対策の内容を具体的に定める
一言で「SEO対策」といっても、その内容は、サイトの設計、キーワードの選定、コンテンツ作成、クローリングやインデックスの最適化、被リンクの獲得など様々な対策があります。
まず、どのようなキーワードで検索されたいのか、あるいは検索されるべきなのか、そのためにはどのようにサイトを設計すればよいのか。
これを決めるには、そもそもの会社ミッションの明確化やターゲット市場の調査や予測が必要です。
そして、サイトからコンテンツを発信するにあたっては、顧客のニーズを満たし、オリジナル性があり、しかも信頼性の高い良質なコンテンツを作る必要があります。
また、そうしたサイトやコンテンツを、Googleなどの検索エンジンに適切に見つけてもらい(クローリング最適化)、適切に評価してもらう(インデックス最適化)必要があるので、検索エンジンの最新の動向を常にアップデートしておく必要があります。
さらには、SNSや口コミでうまく伝わり広がるような被リンクの獲得も目指していくことが望まれます。
このほかにも様々なSEO対策があるなかで、自社は現状どこを強化すべきなのか、そのためには具体的にどのような施策を、どのような頻度で、どのような役割分担で行っていくのか、具体的なアクションに落とし込み、明確なスケジュールを立てるようにする必要があります。
契約書にざっくりとしか書かないと、いざ始まってもぼんやりとしかアクションが見えないので、ここは明確に定めておきたいところです。
2 効果が表れない場合の対処について定める
検索順位をどういう基準で設定するかはGoogleなどの検索エンジンが決めることなので、SEO対策の結果として上位順位を契約書で約束することは通常ありません。
もっとも、契約締結前の営業トークや事前打ち合わせでは、さんざん「上位表示が目指せます!」と期待させておきながら、いざSEO対策が始まったところで全然その兆しが現れず、問いただしてみたら、「いえいえ、契約書には順位や成果の保証はしないと書いてありますけど」と開き直られても困ります。
ですので、例えば1のようにSEO対策の具体的スケジュールを定めつつも、期待通りの効果が出ない場合には、どのタイミングでどのような対策に切り替えるのか、その段取りも決めておくようにしましょう。
3 契約期間について定める
それでも、SEO対策は、実際に始めてみないと、いつ頃どのような効果が出るのかが分からない性質のものです。
ですので、もし途中でやめる場合には、いつでもやめられるものなのか、それともある程度我慢の期間が必要とのことで中途解約の制約があるのか、あらかじめ確認しておくようにしましょう。
口頭のやりとりでは、「とりあえずスタートして、様子見ながら進めましょう」と言われて始めたものの、いざやめようと思ったら、「いえいえ、契約書には途中解約できないことになってますよ」と開き直られても、これまた困ります。
4 口頭での説明と違う箇所を確認する
すでにこれまでにも出てきましたが、契約前の打ち合わせや協議で話されたことが、実際の契約書には盛り込まれていなかったり、反映されていないことがよくあります。
上位表示がどれほど期待できるものか、そのために具体的にどういう行動スケジュールになるのか、打ち合わせや事前協議ででてきた話題は契約書に盛り込まれているのか、盛り込まれていないとすればなぜなのか、そういう目線で契約書に目を通すようにしましょう。
以上のように、SEOサービス契約書で注意すべきリーガルチェックポイントを整理しました。
SEO対策は自社のコンテンツを、どのような顧客に届けたいのか、顧客はどのような言葉で検索をするのだろうかという未来のコミュニケーション対策でもあります。
いいコンテンツを発信したいという企業と、それをしっかりと顧客に届けたいというSEO会社とは、ぜひ相思相愛の関係になってほしいです。
リーガルチェックのご依頼ご相談も受け付けていますので、その場合は下記フォームからお問い合わせください。
ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
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