契約書の注意点-弁護士はここを見る-

中小企業でも個人事業主でも、取引相手と契約書を交わす場面は多くなっています。
かつては(今でも?)契約書など交わさずに、互いの信用で済ませることもありましたが、近年は「形だけでも」契約書を交わしておく傾向にあります。

けれど、「形だけ」の契約書ではいかにも心もとないです。
将来、「言った言わない」「頼んだ頼んでない」とトラブルになったとき、あるいはトラブルになりそうになったとき、「ここに書いてあるでしょ」と相手に示せるもの、いざという時に自分を守ってくれるものが契約書です。
それが「形だけ」の契約書だったばかりに、いざという時に守ってくれない契約書では意味がありません。

自分を守ってくれる契約書

では、どうすれば自分を守ってくれる契約書にできるのでしょうか。

シンプルに言うと、契約は「相手への義務」と「相手への権利」とからなります。
「相手への義務」が「自分の仕事」であれば、
「相手への権利」は「仕事の対価」となります。

そうすると、
①自分の仕事は何か(何を、どこまでやらなければならないのか)と、
②それに対する対価は何か(いついくら発生するのか)
の2つを、はっきりと明確に契約書に表現しておく必要があります。
契約書にはいろんな条文がありますが、この2つが一番大事です。

簡単なようで、意外にこの2つがあいまいな契約書は多いです。
そうすると「自分の仕事」の内容があいまいなために、
「サービスでしてあげた仕事」が、相手からは「当然の仕事」だと思われたり、
「標準レベルで仕上げた仕事」が、相手からは「完璧でない」と思われてしまい、
その結果、代金をなかなか払ってもらえなかったり、何度もやり直しを求められたりして苦労することが多く起きます。

「自分はここまでの仕事をします」「自分はこのレベルまでの仕事をします」と明記しておくことで、相手からのクレームや過大要求をぐっと抑えることができます。

このように、契約書を「自分を守ってくれる味方」にするために、どこに注目し、どこを強化すべきかをお話ししました。
そんな目でご自身の契約書を見直してみてはいかがでしょうか。
トラブルがぐっと減ります(^^)

ここまで記事をご覧いただきありがとうございました。
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私は企業の顧問弁護士を中心に2007年より活動しております。

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波戸岡 光太 (はとおか こうた)
弁護士(アクト法律事務所)、ビジネスコーチ

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